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「綾瀬さん!」



男の人にしては少し高い優しい声が私を呼んだ。

振り向くと神山くんがいた。

こうやってちゃんと向き合うのは初めてで少し緊張してしまう。



「あ、宮原や。」

「何そのついでみたいなの。」

「そんなつもりちゃうよ。」



結沙と神山くんの空気が軽い。

私に見せる顔とは少し違う顔。

新しい一面が見れて嬉しいような、結沙のこんな表情を引き出せる神山くんが少し羨ましいような。



「綾瀬さん、これ。」

「え、?」



神山くんが私に手のひらを向けた。

花の模様が1つついてるハンカチ。

慌ててポケットの中を確認する。

入ってない。



「ごめんなさい、それ、私のです。」

「うん、そうやろなって。前持ってたの見た気がしたから。」



神山くんからハンカチを受け取る。



「そのハンカチ、可愛いね。」



神山くんが笑う。

神山くんの笑顔はクシャっとしてて優しかった。

そうやって、笑うんだ。


私はありがとう、と頭をさげる。

顔を上げたらまだ神山くんは微笑んでくれてて

私も笑顔を返した。



「神山、ゴール外してたね。」

「それ言うなやぁ、めっちゃ気にしてんねんから。」

「でも、あの、かっこよかったよ。」

「ふふ、綾瀬さん、ありがとう。」



照れくさそうに笑う顔は、少し重岡に似てた。



「じゃあ、俺はこれで。」

「うん、また教室で。」

「神山くん、ありがとう。」



うん、と一回大きく頷くとくるりと背を向けた。

少し前を歩いてる男子達の元へ走っていく。

あっという間に、みんなの輪の中へ入って行った。



「ちょっと、緊張した。」

「いやいや、同級生なんだから緊張しなくても。」

「だって初めて喋る人ってどんな人かわからないもん。」

「神山が極悪人の可能性がある、みたいな?」



ツボッたのか大笑いする結沙。

お腹を抱えて笑ってる。

そういうわけじゃ、ないんだけど。



「いやAがそう思ってないのはわかってるんだけどちょっと面白くって。神山、優しいから大丈夫だよ。」



結沙はポンポン、と頭を二回優しく叩いた。

優しい人っていうのは、今日でわかったよ。

ハンカチを拾ってくれて、何より笑顔が優しかった。


前を歩いてた神山くんが振り向いた。

目が合って、笑って手を振ってくれたから

私も笑って、手を振り返した。









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プシュケ(プロフ) - しょあさん» ありがとうございます(;_;)大好きだと言ってもらえると私なんてまだまだちっぽけなのにとても誇らしい気持ちになれます。魔法のような言葉だなあと常々思います。更新頑張りますね! (2018年6月30日 21時) (レス) id: c500b02c4b (このIDを非表示/違反報告)
しょあ(プロフ) - だいすきなお話です!更新楽しみにしてます(ノ_<) (2018年6月25日 1時) (レス) id: a32bcb43cc (このIDを非表示/違反報告)
プシュケ(プロフ) - れんれんLOVEさん» ありがとうございます(;_;)そう言って頂けて有り難いです。2人の恋がゆっくり動き出すところを見守っていただけたら幸いです、更新頑張ります! (2018年4月15日 23時) (レス) id: 0d3b4e228a (このIDを非表示/違反報告)
れんれんLOVE - お互いまだ好きなのにその恋を諦めようとしてる。そんな感じでとても切ない気持ちになりました。これからも頑張ってください! (2018年4月15日 16時) (レス) id: d3a8aaae25 (このIDを非表示/違反報告)
プシュケ(プロフ) - 永瀬のあ。さん» ありがとうございます(;_;)弟子ができましたも読んでいただけてるんですね、嬉しいです、ありがとうございます。さっさと言えよ!って感じですよね、私もそう思います。笑 少しずつ成長していく姿を見守っていただけたらと思います、更新頑張ります! (2018年4月8日 22時) (レス) id: 0d3b4e228a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:プシュケ | 作成日時:2018年4月7日 18時

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