オワリノナイ恋 / A. Masaki【23】-11.26更新- (ページ2)

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882.痺れ･･･A ページ2

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頬に重たい衝撃を食らって、ジンと痛む。
バタバタと遠くに聞こえる足音とともに。最後はガチャン。と重たい扉の音がした。

その一連の音の全てを、どこか他人事のように聞いて。
彼女のいなくなった、その場所を意識がなくなった気分で眺める。

心に残った、気持ち悪い感情は今だに俺の中でグルグル渦巻いてて。
重度の興奮状態だったのか、全身が痺れてるような感覚。

彼女に当たったって仕方ないのに。
俺が翔ちゃんと話すしかないのに。
でも、話してどうすんのか、って聞かれたら、どうすることもできない。

Aちゃんに、翔ちゃんとはもう関わらないでっていう？
･･･そんな女々しいことできるわけない。

それに、彼女が戻る前に消そうと思ったタバコが
思ったよりも早く風呂からあがった彼女に見つかって。
まずいって思ったのに、変に開き直って。

不快そうな顔をした彼女の、俺から逃げるような行動に更に苛立って。

キスしても、辞めてって言われたのが悔しくて。
翔ちゃんからキスした時は、何も言ってなかった癖に。寝てたのなんて関係ない。ってもっと悔しくなって･･･。
無理やり･･･襲い掛かって･･･････なんだこれ･･･俺めちゃくちゃダサいじゃん。クズじゃん。

俺の勝手な嫉妬で傷つけて、あからさまに脅えてる彼女の嫌がることを無理矢理して。。

「何してんだよ、、」

自分に一番苛立って、頭をワシャワシャ搔き毟る。
ぐしゃぐしゃになった髪を両手で握って大きなため息をつく。

ふと脳裏に浮かんだのは、最後のAちゃんの表情と声で。

涙をこぼして、初めて見る脅えた表情に一瞬ゾクッとしたのは男の狩猟本能なのか。

でもそれ以上に、俺を軽蔑した瞳で捉える姿に胸が苦しくなって
改めて自分のしたことを悔いた。

『辞めて』そう叫んだ声すら、自分を拒否されたように感じて
拳の力を緩めることなんてできなくて。
いくら好き同士だからって、男にあんな風にされたら怖かったはずだ･･･。

謝らないと、、って思ったけど、体が興奮していたからか、ふくらはぎや腕がジンジンと痺れて直ぐに立ち上がれず。
いつもと違う体の感覚に、無理やり体を立ち上がらせて
キーケースと、携帯を持つと違和感の残る体を引きずって急いで出て行った彼女の後を追った。