759.小さな彼女･･･A ページ39
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震えながらも話す彼女の頭は、あの頃を蘇らせているのか
「心配されてるんだろうな、って思ったのに、、聞こえてくるのは、、どうやって学校に戻すか、とか･･･これじゃあ、大学にも行けないって･･･お姉ちゃんなら、、お姉ちゃんなら、、って声だけで、、っ･･･」
助けて、ってしがみつくように俺のシャツを握り始めた彼女を
今、ここでどうしたら助けてあげられるのか。
「精神的にも辛くなって、、」
キュッと、今までで一番強く握られたシャツの感触のまま、話を止めて
話せない彼女が言おうとしている事を想像して
「･･･それで、家を出たの、、？」
きっかけになれば、と思って発した言葉には、無反応。
それはきっと、さっきと同じ否定を表すもの。
･･･じゃあ、そのあと、Aちゃんに何があったの？
「Aちゃん、、？」
「･･･」
「どう･･･「･･･死のうと、、」
再び握られたシャツ。
耳に届いた言葉は、信じがたいものだった。
「何もかも、嫌になってっ･･･私、、っ」
それ以上言わせたくなくて、ギュって彼女の体を力いっぱいに抱きしめる。
腕の中にいる彼女を、いつもだったら、小さくて可愛い。って思えるのに
今日はいつも以上に小さく感じて。
このままさらに小さくしぼんでってしまうんじゃないか、って変な不安を感じる。
「･･･それから、、」
「･･･うん」
「･･･少しだけ入院して。･･･家に戻りたくなくなって、、」
俺の気持ちを汲み取ったのか、はたまた自分が話したくないのか
Aちゃんもその部分は深く話さなかった。
「･･･あとは、俺が知ってる通り、、？」
そう聞くと、ようやく小さく頷いてくれて、、
あまりにも、彼女の背負っていた過去の大きさに
どうしたらいいのか、育ってきた環境の違いにどう言葉をかけたらいいのか、全然わからなくって
抱きしめることしかできない自分が悔しかった。
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作者名：にゃん | 作成日時：2020年3月21日 9時
