756.バルコニー･･･A ページ36
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購入した部屋はバルコニー付きで、晴れた日なんかは昼寝もできるだろうし
子供が生まれたらプール遊びもきっと十分できる広さがある。
手前の方は、ガーデン用なのか洗い場もあったり
出てすぐにある、物干しスペースなら、半分室内みたいなもんだし
風が強い日や、雨の日でも洗濯物が干せそう。
まだ、バルコニー用のサンダルは準備してないから一度玄関に靴を取りに行って
「すんません、バルコニーの方にいます」
近くを通ったお兄さんに、部屋を出ることを伝えると
わかりました！って今日の快晴に負けないくらい爽やかな返事が返って来た。
大きな三枚板の窓ガラスをスライドすると初夏の、爽やかな暖かい風が頬をかすめる。
「気持ちーね！」
「はい、(笑)」
自然な笑顔を見せてくれた彼女にホッとして
「そこ座ってすこし休もう、？」
指差したのは、2畳程の人工芝のスペース。
今日みたいに天気が良ければ、ここで2人きりのピクニックもできそう。
「お尻汚れないかな、、」
普通に芝生に腰掛けた俺の横で、座るのを躊躇ってるAちゃん。
「汚れたら洗えばいいんだから。それに人工芝だし大丈夫だよ」
「でも、、これ、、」
雅紀くんが買ってくれたやつだから、、って小さく呟いて。
だから汚したくない。って言わずとしても伝わったその気持ちに
さっきまで感じてたモヤモヤはどっか行っちゃって、愛おしさがこみ上げる。
「んもぉ、しょうがないなぁ」
なんて言いながらも、すげえ嬉しいんだけど。
俺が、おいで？って膝をぽんぽんって叩くと
あからさまにAちゃんは驚いた顔をして
「え、座るんですか？」
「うん、だって汚れんの嫌なんでしょ？レジャーシートも今ないし、、だからほら。」
そう行って、もう一度あぐらをかいてる膝をぽんぽんってする。
「ぎ、業者さんもいますしっ、見られたら･･･っ」
「大丈夫だって、！」
「でも、」
「ほら、さっさと座る！休憩！」
躊躇ってる彼女の腕を引いて、無理やり座らせると
恥ずかしい！って少し抵抗したけど、俺が腰に手を回すと諦めたのか、ようやく抵抗をやめて
大人しく、膝の上に収まった。
757.静かな･･･A【05.04更新】→←755.身構える彼女･･･A
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作者名：にゃん | 作成日時：2020年3月21日 9時
