739.お届けします･･･A ページ19
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「もしもし？」
遠くで聞こえる機材の大音量に片耳を塞いで電話に出る。
「あ、相葉くん？今大丈夫？」
「あぁ！うん！少しなら！」
「よかった！メール、見てくれた？」
「え、メールくれてた！？」
「完成したから、一応写真送っといたの！まぁ、それは後で見てくれればいいんだけど、、」
色や形以外の細かなデザインはキョウコさんに任せていたから
きっともう形として出来上がっているのを送ってくれたんだろう。
俺が引越しの日に届くようにしたいって言ったから
忙しい中、その日までに間に合わせてくれて、ほんっとにキョウコさんには頭あがんない。
「いつどこに届ければいいかなぁって思って」
「あ、じゃあそれすぐにメールで送るよ！新しい家に送って欲しいんだ！」
「りょうかーいっ！当日私が届けにいくから、Aちゃんには内緒よ？」
「え、キョウコさんきてくれるの？忙しくない？」
「なぁに言ってんの！あの子がびっくりしてる顔、私も見たいものっ！」
キョウコさんって、ドッキリとかそういう類のもの好きそうだもんな、、
「じゃあ、、夜なら俺もAちゃんも家にいると思うからさ？」
「それなら〜･･･8時とかどうかしら？」
「うん、大丈夫。Aちゃんもその日休み入れてるみたいだし」
「ウフッ、じゃあそういうことで！メールよろしくね〜」
キョウコさんの楽しそうな声が聞こえて、プツリと切れた電話をポケットにしまうと
隣にいた翔ちゃんが、誰から？って苦笑いで聞いてきた。
「なんか、スッゲェ楽しそうだったけど」
「あぁ、キョウコさん！」
「きょーこさん、、って、、？」
「俺の好きなブランドのデザイナーさん、、かな？」
「え、なに。デザイナー繋がりあんの？」
翔ちゃんの驚きに満ちた表情は、きっと人見知りの俺の性格を知ってるからなんだと思う。
「うん。何回も店通ってるうちに仲良くなって。オネェなんだけどね？」
「へぇ、、」
色々キャラが濃いこととか、佐藤が実は気に入られているとか
何より、Aちゃんの会社と提携したとか、、
キョウコさんについて話したいことはたくさんあるけど
丁度、松潤の話がまとまったのか通しでリハしようって声がかかったから
俺も翔ちゃんも、携帯を近くのスタッフに預けて、リハに戻った。
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作者名：にゃん | 作成日時：2020年3月21日 9時
