37.お誘い ページ37
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雅紀くんとの電話が切れて、なーんにもやることがなくなった私は
雑誌を眺めて、明日はどのスーツ着て行こうかなーなんて考えてた。
たとえ、雅紀くんに見られなくとも
やっぱり、女子たるもの女の子らしくいたいし
普段スーツだからこそ、お休みの日ぐらいは可愛い格好がしたいなってだけでウィンドショッピングだってする。
最近忙しくて家と会社の行き来だけだったし来週は、買い物にでも行こうかなぁ･･･。
なんて思って暫く雑誌を眺めた後、そろそろ寝ようかなって布団を開けた時、
再び雅紀くんから電話がかかってきた。
「もしもし？雅紀くん？」
「あ、Aちゃん？起きてた？」
「起きてましたけど･･･リハーサルは？終わったんですか？｣
「うん、もう終わって、これから寝るところ｣
雅紀くんの少しだけ眠たそうな･･･滑舌の少しだけ悪い声。
「どうしたんですか？｣
「んー。寝ようと思ったんだけどさぁ？なんか･･･Aちゃん恋しくなっちゃって･･･｣
あはっ、って雅紀くんの照れをが負かしたかのような笑い方。
「もう、子供じゃないんだから･･･｣
なんて言いつつも、寂しくて電話をかけてきたって言う雅紀くんが可愛くって
「俺はいつだって、Aちゃんがいないとやってられないもん｣
「大袈裟ですよ(笑)｣
とかいって笑ってみたけど実際は･･･
｢Aちゃんは？･･･寂し？｣
うん。
｢･･･寂しいです｣
｢ね、Aちゃん･･･帰ったらさ｣
一呼吸置いて、なんだか言いにくそうな声。
｢はい、？｣
｢その、、、ソウイウコト、しよ？｣
｢えっ･･･？｣
唐突な、雅紀くんのセリフに一瞬何をいっているのか意味がわからなかったけど
意味がわかった途端、思わず携帯を落っことしそうになった。
｢い、いやだったらいいんだよ！？でも、俺2年越しのAちゃんだからさ･･･その、ね？｣
｢･･･ま、まさきくんのえっち！おやすみなさい！！！｣
そう叫んで、電話を一方的に切った。
2年越しだったなんてことも初めて聞いたし
何より、雅紀くんも男の子なんだなって思ったら、電話を切ってからも心臓はばくばくして。
「寝れない･･･」
眠気がすっかり飛んでしまった私は、必死に目をつむったけれど
さっきの彼の言葉が脳内を支配する。
それに加えて、彼の夜の姿を想像しちゃう私はハレンチな気がして
ソウイウコトに慣れてない私は、きっと雅紀くんに流される。
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作者名：にゃん | 作成日時：2017年11月29日 0時
