60話目 生まれる孤独 ページ12
朱流side
見えない……
ここはどこなのか……
体は言うことを聞かない
まるで自分の物じゃないみたいに
？「お前はもう要らない、このままここで朽ち果てるといい」
優しい兄さんと同じ声で言われる
謝ればいいのか、反抗すればいいのかわからない
あの人もこんな孤独を抱えていたんだ……
１年もこんな孤独を耐えていたんだ……
俺は……
耐えられない……
？「……、……る……」
誰かが俺を呼んでる？
もう放っておいてくれ
？「……がる……、……がる！」
うるさい……
うるさい、うるさい‼
誰なんだ！俺はこのままここに居たいのに‼
？「朱流！起きて‼」
あれっ？
この優しい声は……
そうだ……、あの人の声だ……
目を開けるとそこは学院のA兄ちゃんのクラスだった
どうやら兄ちゃんに忘れ物を届けに来たあとに寝ていたみたいだ
貴「朱流、大丈夫か？うなされていたけど……」
加「後、顔色が悪いぞ？」
瑠「それに隈も酷いし？」
加勢兄と瑠斗兄にも心配かけちゃった
朱「大丈夫だよ、最近色々あって疲れちゃったみたい」
今日は帰って寝るね
その言葉と共に教室を出た
言えるはずがない
心優しい兄ちゃんはきっと自分のことのように悲しんでしまうから……
だから……
たった一度の嘘を見破らないで……
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朱流side１話目です
彼が見た夢はある意味ではAが人形として過ごした時のものであり
ある意味では違うと言えます
２話目はAの視点で書いていきますのでお楽しみにしていてください‼
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作者名：黒魔剣士 | 作成日時：2018年6月22日 19時
