第 三 話 ページ3
Aside
ウタは僕のたった一人の妹。
シャンクスにそう伝えられた時は不思議な感じだった。
ゆりかごの中でスヤスヤ眠っているウタの指に触れると、握り返してくれた
『……!』
僕の妹。
今日から僕がお兄ちゃんなんだ。
でもね。
少し寂しいんだ
気が付けばみんなウタの所へ行ってる。
僕はお兄ちゃんだから
シャンクス達に迷惑かけちゃだめだし、ウタの面倒も見なくちゃいけない。
分かってる。
分かってるよ
でもね
_______悲しい音がするんだ。
自分の部屋に入って少し古ぼけたピアノに手を置いた。
床に散乱している楽譜を片付けて、椅子に座る。
ポロン、と音が鳴る
段々と旋律が刻まれていく
その音には
"やさしさ"は含まれていない
少し暗い旋律が部屋に響き渡って行く。
"不安"
"嫉妬"
"悲しみ"
"辛さ"
『……知ってるよ、意味なんてないって』
でもね
もし
一つ、願いが叶うなら
また
皆で歌いたい
もう楽譜はぐちゃぐちゃで。
書き殴ったようにして書いてあるその楽譜は、自身の溢れ出す感情を表していた
『………ははっ』
乾いた笑い声は一人寂しい部屋に消えていった。
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レイあむ(プロフ) - あれ、なんでだろ、目から滝が…更新頑張ってください (2023年3月12日 1時) (レス) @page8 id: cf5f1f8787 (このIDを非表示/違反報告)
ハンカチモンスター(プロフ) - 面白いです!更新頑張ったください! (2022年10月3日 10時) (レス) id: dd4a83489c (このIDを非表示/違反報告)
礼 - お兄ちゃんだから。で、じわってきました。この作品を作ろうって思ってくれてありがとうございます!!! (2022年9月30日 20時) (レス) @page8 id: eb2956f6d8 (このIDを非表示/違反報告)
月及派(プロフ) - 面白い!続きが楽しみ (2022年9月21日 11時) (レス) id: 2aae637588 (このIDを非表示/違反報告)
カオスウルフ(プロフ) - 続き待ってます (2022年9月20日 0時) (レス) @page7 id: 2bb34c05f8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆにこーん。 | 作成日時:2022年9月14日 21時