3話 ページ4
「……で? 今んとこどうなの? 」
目の前で腕組みしながら俺に聞くのは
幼稚園からの付き合いで、腐れ縁だ。
雅は茶色の髪を後ろで纏めるハーフアップ? みたいな髪に茶色の目。
黙っていればイケメンの部類にはいるだろう。
……黙っていれば。
「どうって? 」
「ほら、最近仲良いじゃん2人。」
と、隣に座っていた
優雅は中学からの付き合い。
THE不良と言った出で立ちだが、裁縫得意家事得意、勉強得意……とギャップが凄い。
んで、逆の隣に座ってんのが
鬱陶しいほど長い前髪とマスクが特徴的である。
滅多に喋らないが、恐らく話は聞いているのであろう。
「……仲良い、っつーか……隣だしちょっと喋るだけだぜ? 」
「進歩だよ進歩。2週間前無視された! って騒いでた頃と大違い! 」
ため息混じりにそう言えば、力のこもった台詞でそう返された。
「それともぉ、可愛くなってきちゃった? 」
「た? た? 」
ニヤッ,と笑いながらこっちを見る雅と優雅。
俺は2人の頭に肘鉄を喰らわす。
「馬鹿じゃねぇの? 」
「えぇ? 男子の間で密かに人気だよ無月君。」
「んだんだ。今は優也が狙ってるから誰も手ぇ出さないけどね? 」
……マジかよ。
あんな奴を好きな奴いんの?
「はいはい。まぁ俺の美貌にかかればあんな奴直ぐオトせるから。」
「後5ヶ月かぁ。」
「ねぇ聞いて? 」
雅達は「俺は出来るに賭ける! 」「じゃあ出来ない。」とか。
人を賭け事の道具にすんなっつーの。
座っていたベンチの背もたれの上から頭を下げる。
と、前……後ろ? から今話題に出てた無月が歩いてきた。
「……柊ー。先生よんどったで。」
「マジ? 何で? 」
「補習。赤点やったんやろ? 」
無月の言葉に顔を上げ、ベンチから立ち上がる。
無月は用は終わった、とばかりに屋上から出ようとしている。
「……なぁ、先生んとこ一緒に来て? んで勉強教えて? 」
これはチャンスなんじゃね? と考えた俺はグイッと無月の腕を引く。
無月は超嫌そうに顔をしかめた。
けど俺は引き下がりませんとも。
多分補習は俺だけ。
てことは無月と2人きりになれる。
「な? 無月小テストとか満点じゃん。」
「……ハァー。ええよ、1時間1万円な。」
「ぼったくりすぎじゃね? 」
無月は少しの間考えていたが、やがて深い深いため息をつき了承してくれた。
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ののいろ系女子 - 凄く面白いです!何かね、無月君がブラックのコーヒー飲めないの何かぐっときました。最高です! (2019年2月27日 16時) (レス) id: 8fb3eabd58 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:桜鸞 | 作成日時:2019年2月25日 16時