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ギシ…と軋んだベッドの音で目を覚ますと、起き上がってカーテンの隙間から漏れた光に目を細めた伊黒さんの上半身が視界に飛び込んだ。
夢なのか現実なのか、どちらにしても何処か照れ臭くて、私は顔の方まで布団を引き上げた。
「無理させたな…すまない。」
そう言ってベッドから降りた伊黒さんが、昨夜脱ぎ捨てた服を拾い上げた。
私の服を丁寧に畳むと、置いておくよ、と枕元に置いてくれた。
『昨日のこと、覚えてますか…？』
特に驚く様子もなくあまりにも冷静な伊黒さんが少し怖くて、正直に質問をぶつけると、伊黒さんは私に背を向けたまま、静かに答えた。
「俺は酒で記憶を無くすことはない。
昨日は酔っていたとはいえ、こんなことをして
すまなかった。
だが、相手が誰でも良かった訳ではない。」
ぶわっと顔が熱くなるのが自分でも分かった。
忘れたことにしてしまいたいと思われなかったことに安堵しているのか、何も覚えていて欲しくなかったのかは今考えるのは止そう。
『そう…ですか…』
自分から聞いておいてこんな歯切れの悪い返しをするなんて、と自分でも呆れる。
気まずい空気を断ち切るように、伊黒さんが私にお風呂を促してくれたお陰で、なんとか私は思考を止めることが出来た。
身体に染み付いた
「ちゃんと髪を乾せ。
夏でも風邪は引くんだから。」
ほら、とドライヤーを手渡した伊黒さんは、そのままお風呂場へと行ってしまった。
渡されたのは口コミは高いが、値段が高いことで有名なドライヤーだ。
歳上とはいえ高校生の癖に良いものを使ってるなあ、と思いながら、伊黒さんが戻るまでの間に私は身支度を整えた。
家まで送ると言ってくれた伊黒さんの厚意を断り、
最寄りの駅でお別れをすることにした。
『お邪魔しました。
また
何かを言いかけるようにして目を見開いた伊黒さんを背に、それじゃ！と駅の改札へと足を早めた。
少し早く訪れた大人の恋に必死に背伸びをした私は、
ひたすら振り返らないように前だけを見て、ホームへと急いだ。
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ゆきの(プロフ) - 伊黒小芭内めちゃくちゃよかったです！！凄い推してるのに，あんまり作品がないので．．．私，伊黒さんと宇髄さんと実弥さん好きなので，とても面白かったです！！！ (2022年2月28日 0時) (
レス) @page30 id: 979384fcc7 (このIDを非表示/違反報告)
羽糸(プロフ) - あさひゆうひさん» あさひちゃんも読みに来てくれてありがとなァ！！ちゃんと甘く書けてたのか不安だったから、そう言ってもらえて嬉しい！！ルビは最近1番気をつけてる(笑)一緒にお祝い出来て私も嬉しい❤️あさひちゃんのお話も最高だったゾ！！！！ (2021年11月29日 8時) (レス) id: 85bd249cc8 (このIDを非表示/違反報告)
羽糸(プロフ) - ひよさん» 早速読みに来てくれてありがとう！ハピエンを匂わせたままにしてたので、このタイミングでしっかり伏線回収させて頂きましたァ！！この実弥くんだから、夢主さんはやっと過去を清算できたのかな、と思ったり…。ひよちゃんのコメント力高すぎていつも文字数足りない(笑) (2021年11月29日 8時) (レス) id: 85bd249cc8 (このIDを非表示/違反報告)
あさひゆうひ(プロフ) - りりちゃん…！続きをありがとう！甘い!!!実弥さんの甘い言葉の数々にきゅん…素敵な誕生日のお話ありがとう!!!そして、ルビありがとう！助かります！（土下座）一緒に実弥さんのお誕生日お祝い出来てとっても嬉しいです♡ (2021年11月29日 0時) (レス) @page28 id: 9c7376e839 (このIDを非表示/違反報告)
ひよ(プロフ) - りりちゃん、実弥くんの続きを読ませてくれて本当にありがとう!! こうなってくれると良いな、と思いながらの完結だったので、素直に嬉しいです。過去の残像を払い除けられたのは、実弥くんだからか……お誕生日おめでとうございます…!! (2021年11月29日 0時) (レス) @page28 id: a2712468ed (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：羽糸 | 作成日時：2021年8月7日 20時
