１１８.大人は辛いよ�� ページ36
「何故安吾に掛かっていた異能が
解除されたのか。元々、この幼児化の異能者は特務課がマークしていたのだろう？」
「ええ。当然です。異能者は日本に入国した時点で二十四時間体制で監視していますから。」
何故こんなことになってしまったのか………
「それで
心底愉快そうにお腹を抱えて笑う太宰君。
僕には当然笑う余裕なんて無い。
「どうして異能が解除されたんでしょうか？」
「それについては、君のところの優秀な部下が調べてくれたよ。
電話だったけれど、
きっと美しい女性なんだろうなぁ〜
優秀だけど落ち着きの無いタイプかな？
君に叱られるのかとビクビクしていたよ。
あんまり叱らないであげたまえ。」
大きく身ぶり手振りを交えながら喋り続ける。
女性の事となると彼の周りに花が咲いたように見える。
その言い方だと辻村君ですか………。
村社君は僕に叱られる程度で怯えたりはしない。
「“自発的に素直になり、それを相手に伝える”
よくあるパターンだね。」
「はい？」
「そのままの意味だよ。あれが安吾の本心だ。
自覚し、言うことが無かったらまだ幼児のままだったよ。」
そう言いながら愉快だねぇと呑気に笑う。
「まあ、私が出来るのも此処までだ。
後は安吾次第だよ。
勿論、協力するつもりも微塵もない。」
先程とは一転し、暗い闇を宿した瞳で此方を見る。
僕は、太宰君のこの瞳が苦手だ。昔も今も………。
「もしAちゃんを悲しませたら……どうなるか解ってるよね？」
ニコリとも笑わない太宰君。
時の流れと共に部屋の温度が急激に下がった気がして、肩が震えた。
ガチャリ。扉を開けた太宰が背を向けたまま部屋から出て行く。
「早く行きなよ。Aちゃんが待ってる。」
「………………太宰君……ありがとうございました。」
頭を下げる。
頭を上げた時には、既に彼は何処かへ消えていた。
少し薄暗い探偵社の廊下。遠くの足音が反響して聞こえた。
『安吾さーん！！特務課の辻村さんが迎えに来てくださいました！！』
Aが僕の隣に走って来て並ぶ。
「そうですか。
…………A。すみません。迷惑を掛けました。」
『それさっきも聞きました！大丈夫ですよ！
気にしないでください。』
振り向いた彼女にニコーッと満面の笑みが広がる。ポニーテールがサラサラと揺れる。
「認めざるを得ない……か。」
『え？何です？』
「何でも有りません。早く降りますよ。」
久し振りに見下ろす華奢な肩。
矢張、こうでなくては。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 70人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あねもね(プロフ) - 莉玖梠さん» 今年の四月馬鹿はがっつり被ってましたね〜(笑)私も文マヨ開いて驚きました！！ちょっと書いては保存して……のスーパー亀更新なんですが、いつも見てくださってありがとうございます！！ (2018年4月22日 15時) (
レス) id: 57ead714e4 (このIDを非表示/違反報告)
莉玖梠(プロフ) - ヤバいです！！更新するたびちび安吾可愛すぎます！！公式のが出てるのでなお想像がしやすくなりましたね！！ (2018年4月22日 0時) (レス) id: a35683e8e9 (このIDを非表示/違反報告)
あねもね(プロフ) - 莉玖梠さん» わ〜！！ありがとうございます！！頑張ります！！いつも応援コメントありがとうございます！！これからもどうぞよろしくお願いいたします！！ (2018年4月8日 19時) (レス) id: 57ead714e4 (このIDを非表示/違反報告)
莉玖梠(プロフ) - 受験生なんですか！！勉強が大変ですね。更新はゆっくり待ってますので無理をしないで頑張って下さい！！ (2018年4月8日 18時) (レス) id: a35683e8e9 (このIDを非表示/違反報告)
あねもね(プロフ) - 結城憂樹さん» ありがとうございます！！ほんっとに、こういうコメント凄い嬉しいです！！ありがとうございます！！頑張ります！！ (2018年4月8日 18時) (レス) id: 57ead714e4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あねもね | 作成日時：2018年3月8日 18時
