安吾さんのアシスタントをしております！！参

８５.予告でも見ましょうか ページ1

『つっかれましたねー』

んあーと言いながら伸びをした、午後10時、内務省異能特務課のオフィス。

政府機関だけど、これ違法じゃない？？
私、高校生………。

『あ、そうだ。安吾さん。』

「どうしました？」

『休憩がてら、
《文豪ストレイドッグス DEAD APPLE》
の予告動画でも見ましょうよ！！』

「いいですけど…………」

けど？？

「遅くないですか？？」

言われると思った………。
仕方ない……だって組合(ギルド)編が終わらなかったんだから！！

『…………駄目ですか？』

悩んだ末にそう言うと、一瞬で安吾さんの頬に朱がさした。

「駄目じゃないですよ！？
ええ、駄目じゃないです。」

『大丈夫ですか！？顔赤いですけど………』

「全然大丈夫です。問題ありません。
見ないんですか？予告。」

慌てて駆け寄ると、さっきとはうって変わった無表情で矢継ぎ早に言われた。

じゃあ……見ます？？

《安吾 side》

楽しそうに回転椅子を僕の隣まで移動させる
A。
右手には彼女のスマートフォンと、真っ黒なイヤホンが握られている。

『はい。どうぞ。』
差し出された片耳のイヤホンには“R”の文字。

ん？？
「………着けるんですか？」

『着けないと聞こえませんよ。』

仕事疲れか、不自然な程に高いテンションで笑うA。

何ともない顔でそのままイヤホンを左耳に着ける。

『はきっだぁすようにしてまえに、
まえにこげーばー♪』

…………随分ご機嫌だ。

仕方なく右耳だけにイヤホンを着けると、妙に背筋がくすぐったい気がした。

〔異能特務課はこの一連の事件を……〕

『国木田さんだ！！』

〔重要な任務を依頼します。〕

『安吾さん！！！！』

「A、静かにしてください。」

キラキラした目で此方を見るAの顔を無理矢理スマートフォンに向ける。

〔こーどぉーがーかさーなぁりー♪〕

『……………ちゅ、中也さ、ん…？？』

「違います。主題歌を歌ってるのはGRANRODEOのボーカル谷山紀章さんです。確かに中也君は歌が上手いですが、これは違います。」

『な、るほど………？？』

〔…………人を救う方が確かに素敵だよ。
………生きていくのならね。〕

『太宰さん………。なんか……えっ』
「それ以上言わなくて良いです！！」

油断も好きもあったものじゃないな………。

〔もたついてんじゃねぇさんぴん！！〕

『あああ安吾さん！！首が！！』

「あぁ、あれ実際は身長差があるので………」

〔みんなの命が………燃えてる………〕



「『……帰りましょうか。』」

設定！！飛ばしてOKです！→

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す