【文スト】愛されてるあの子と愛されない私【太宰治】【中原中也】

愛 ページ35

太宰視点

私は、フョードル・ドストエフスキーがAにキスをした時に

睡眠薬を口に含ませたのを知っている、

何故なら思考が似ているから。

こんな奴と思考が似ているなんて嫌気しかささないが、

その分、相手の攻撃の仕方がだいたい把握できる。

Aちゃんに、睡眠薬が回る前に真実を教えてあげなければならない









＿＿でも、駄目だった。

何度やっても同じ。

五月蝿い、と言われるだけでまるで私の話を聞こうとしない。

まだ、根に持っているのだろう。私達がしたことを、

私達は、もう一生心から消えない傷をAちゃんに、植え付けてしまった。

それは、私達にはどうしようもない。

だから。

これから私達ともっと楽しい思い出を作ろう？

昔みたいに皆で事件を解決しよう？




探偵社に戻ろう？

そんな言葉は聞こえるはずもなく

ただただ部屋に声が響くだけだった。

ならば。

せめて眠りに落ちる前にこの言葉を聞いてよ。


いつまでも返事は待ってるからさ。




だから、お願い



ｽｳｯと、お腹にありったけの酸素を入れて

Aちゃんの顔をしっかりと見て私は言った












太宰｢Aちゃん！！

愛してるよ!!!!｣

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