おとなりさんその34 ページ36
.
ついに、見つかってしまった。
どうしよう、家が見つかるのも時間の問題な気がする…なのに。
ここから離れたくない、彼方さんと…一緒にいたい。
「俺に守らせてよ、Aのこと。」
全てを知った彼方さんから放たれた、心強い言葉。
こんなに甘えていいんだろうか、どうしてこんなに……
「なんで…」
「え?」
「どうして、そこまでしてくれるんですか……」
「そりゃ、Aが大切だからだよ。」
「え…」
「それに、せっかく仲良くなったんだもん。……友達が困っていたら助けるでしょ?」
友達、その言葉に少しだけ胸が痛んだけど…
大切と思ってくれてるのがそれ以上に嬉しかった。
その言葉が嬉しくて、止まることを知らない涙がまた溢れてくる。
「A?え、俺なんか変なこと言った??」
「違います…嬉しくて。」
「はぁ…まったく。……ごめん。」
「へ…」
何で謝ったんだろう、なんて思えば手から離れたはんぺんの柔らかさ。
その代わりに、包まれるような感覚と心地いい暖かさを感じた。
「か、彼方さん…!?」
「ん?」
「え、ちょ、この体制…」
「んー…Aずっと震えてるからさ。怖い時とかって人肌が恋しくならない?」
「それは…そうですけど…」
「だから、俺の胸でよかったら貸すからさ…その、泣かないで??」
「…はいぃ…」
「あーほら、泣かないでよ…」
片手で私を抱き寄せたまま、もう一つの手で頭を撫でてくれるのが心地よくて。
それに身を任せていると、いつの間にか涙は引いていた。
でも、抱きしめられたのは解放されることがなく、その心地よさに身を任せていたら
私はいつの間にか、寝てしまったみたいだ。
「…寝ちゃったよ。え、いや、俺のせいなんだけどこの後どうしよう…」
彼方さんがこう言ってたのなんてもちろん知らないし
そのまま抱きあげられて、寝室に連れていかれたことも。
「…俺が、絶対にAを守るから。その時には…好きって言わせてね。」
何て、額にキスをされたことも全然知らない。
覚えていることと言えば……目が覚めた時に知らない場所にいて
昨日のことを思い出して、混乱して。
ソファーで寝ている彼方さんを見て、めちゃくちゃ謝ったことくらい…。
「ごめんなさい彼方さん、ホントにこんな……」
「気にしないでよー、俺が勝手にしたんだし…ね?」
あ、あと昨日を思い出して思ったのが、私は彼方さんが好きということ…かな。
592人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
きずもち - そらるさんが可愛すぎて生きるのが辛いんですけど?最近の30路ヤバい………あ、1番右の星押しましたヨーグルト (2020年3月22日 9時) (レス) id: 1f53132dc8 (このIDを非表示/違反報告)
紬-つむぎ-(プロフ) - アイリスさん» 初めまして、コメントありがとうございます!アンケートへのご協力ありがとうございます<m(__)m>これからもよろしくお願いします! (2020年3月17日 13時) (レス) id: 2363fe1fb7 (このIDを非表示/違反報告)
アイリス(プロフ) - コメント失礼します。まふまふさんのものを読んでみたいです!更新いつも楽しみにしています!! (2020年3月16日 23時) (レス) id: d95e32f949 (このIDを非表示/違反報告)
紬(プロフ) - まとめてのご返信で失礼いたします。アンケートへのご協力ありがとうございました(*'ω'*)これからもどうぞよろしくお願いします…!皆様、体調には十分気を付けてお過ごしくださいー! (2020年3月16日 18時) (レス) id: 2363fe1fb7 (このIDを非表示/違反報告)
華乃(プロフ) - コメント失礼します。センラさんのものを読んでみたいです。更新頑張ってください!応援しています! (2020年3月16日 12時) (レス) id: 77b1303ed8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:紬-つむぎ- | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/-tsumugi-
作成日時:2020年3月10日 23時