おとなりさんその32 ページ34
*そらる Side*
「…やっと見つけたよ、A姉さん。」
駅についた俺達に、話しかけてくる男性。
…正確に言えば、俺達にというわけではなくAになんだけど。
話しかけられた途端に、明らかに青ざめた彼女をさり気なく自分の後ろに隠す。
そして、そいつへの対応はセンラ君が行ってくれた。
「姉さん?こんなに怖がられてますけど、ご兄弟なんですか?」
「…誰ですかあなた方。」
「僕らは彼女の友人ですが?この怖がり様では疑うほかないですよね?」
「えぇ、僕らは姉弟ですよ…もっとも、そう思っているのは僕らの両親だけだと思いますけど。」
そう言って、そいつはAへと手を伸ばそうとしていた。
その手は俺によって、彼女へ届くことはなく。また、その手をつかんだのはまふまふだった。
「何をする気ですか。」
「やめてあげてください、彼女…Aさんが怖がってます。」
「…邪魔すんじゃねぇよ。」
「あ??」
先ほどまでと打って変わった口調に対して、nqrseがガンつける様にそいつを睨んだ。
まるで、今までかぶっていた仮面を外したように。
微笑んでいた表情は、何か狂気に歪んでいるように見えて。
「俺らは紛れもなく姉弟ですよ、血は繋がってないですけど。
そして、俺は今日連絡が取れない姉を心配して親に頼まれてここまで来た。
だから、とっとと姉さんを離してくれませんかねぇ…」
「それが、何だって言うんですか。」
「なんだって??」
…もう限界だ。
ここまで怖がって、泣きだしそうな彼女をこんな奴に渡せるわけないだろう。
まふまふが言おうとしていたことをもらうように、そいつを睨んだまま俺はとびきりの声を作った。
「だから、それが?って聞いてるの。仮にお前らが姉弟だろうが恋人だろうが
行きたくないと、怖がっている女をはいそうですかって差し出すほど俺達堕ちてねぇよ。」
「…つべこべうるさいんだよ、姉さんに近寄るんじゃねぇ!」
「はぁ…今警察呼びました。この状況で、きついのはどっちやろうねぇ。」
「…ちっ。」
センラ君の有無を言わさない声が響く。
4人に睨まれたそいつは逃げるようにして去っていった。
それを見たAは腰が抜けたのか、崩れ落ちる様にしゃがみそうになったから
慌てて支えてあげれば、その顔はすっかり青ざめて、大量の涙がこぼれていった。
「A…大丈夫?」
「なんで…なんでここに。」
これは…事情を聴かないと、かな。
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きずもち - そらるさんが可愛すぎて生きるのが辛いんですけど?最近の30路ヤバい………あ、1番右の星押しましたヨーグルト (2020年3月22日 9時) (レス) id: 1f53132dc8 (このIDを非表示/違反報告)
紬-つむぎ-(プロフ) - アイリスさん» 初めまして、コメントありがとうございます!アンケートへのご協力ありがとうございます<m(__)m>これからもよろしくお願いします! (2020年3月17日 13時) (レス) id: 2363fe1fb7 (このIDを非表示/違反報告)
アイリス(プロフ) - コメント失礼します。まふまふさんのものを読んでみたいです!更新いつも楽しみにしています!! (2020年3月16日 23時) (レス) id: d95e32f949 (このIDを非表示/違反報告)
紬(プロフ) - まとめてのご返信で失礼いたします。アンケートへのご協力ありがとうございました(*'ω'*)これからもどうぞよろしくお願いします…!皆様、体調には十分気を付けてお過ごしくださいー! (2020年3月16日 18時) (レス) id: 2363fe1fb7 (このIDを非表示/違反報告)
華乃(プロフ) - コメント失礼します。センラさんのものを読んでみたいです。更新頑張ってください!応援しています! (2020年3月16日 12時) (レス) id: 77b1303ed8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紬-つむぎ- | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/-tsumugi-
作成日時:2020年3月10日 23時