おとなりさんのセンラさん。【歌 い 手】

おとなりさんその21 ページ23

＊センラSIDE＊

　
「あぁあぁぁぁ…緊張してきた…」

「いや、緊張してきたからって俺に電話かけんなやー」

「だってなぁ！？明日、明日なんやで！？」

「いや、落ち着けって……」

　
Aと水族館に行く約束をした日の前日。
配信もせずに早く寝ようと思ったが、眠気が来ないということで…志麻君に付き合ってもらった。

　
「んで、デートやんか。」

「やっぱそうなるよなぁ。」

「明日の予定、ちゃんと考えとるんか？」

「そりゃもちろん！」

「んじゃ、聞かせてや。」

「任せとき！」

　
明日は、午前10時に迎えに行くことにしてそっから水族館行って
お昼食べたら近くにあるショッピングモールに向かう。
それで買い物して、Rougeが好きだという海に行って終わり…

　
「完璧やろ！？」

「完璧すぎて逆に引きそうやけど…車で行くん？」

「まぁ、電車より見つかりにくいやろし。車借りたわ。」

「抜け目がない…これによってセンラが酔いつぶれるという心配もない…」

「いや、さすがに2人きりでデートって時に潰れるほど飲まんわ！」

「それもそうやな。」

　
アカン、志麻君と話してても全然眠くならん…
明日眠いとかそれは勘弁やで…

　
「センラ、俺との電話切って布団はいって目ぇ閉じた方が寝れるんとちゃうか？」

「やっぱりそうかなぁ。」

「おん、はよ寝た方がえぇって！」

　
志麻君にまでそう言われ、通話を切って布団にもぐる…
そうや、アラームセットしておかんとな。
そう思って、携帯を見た俺は…思いっきり変な声を上げることになった。

　
「ふわぅ！？…アイツ、ホンマなんていうか、誤解させるというかなんというか…」

　
どうやら志麻君と電話をしていた時に、Rougeからラインが来ていた。
明日楽しみにしてる、そのラインを見て俺はなんとしてでも寝て明日のデートを
成功させなければならないという、使命感に包まれた。

　
「明日……めちゃくちゃ楽しませたるからな…」


　
んで、明日がいい感じやったら、もうちょっと後に告白するんや…
あわよくば、俺だけにチョコもらえへんかな、なんて淡い期待を抱きながら……
いやほら、もらえるのは確定しとるみたいやから…

　
「にしてもアイツ、何作るんやろ……」

　
アカン、考え始めたらきりがない……
そう思った俺は、スマホをおいて、電気を消して
どうにか心を落ち着かせて、眠りにつくことだけを考えた……

　

「ん……」

　
　
　
どうか、明日がいい日でありますように。

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