おとなりさんのまふまふさん。【歌 い 手】

おとなりさんその21 ページ23

＊まふまふSIDE＊


　
皆さん、どうもまふまふです。
今日は志麻君とAと一緒にちょっと高めの和食屋さんへ来ています。
ここには全国から日本酒が集められていて、それを楽しめることのできるのですが……

　
「やっぱりこっちのが飲みやすいですね。」

「Aはどっちかっていうと甘口派なん？」

「そうですね、獺祭とかよく飲みますよ。」

「それやったらこれとか好きなんとちゃう？」

　
日本酒が好きで、お酒に強い志麻君とAはさっきからグラスでめちゃくちゃ飲んでるんだよね。
いつの間にか志麻君もAって呼び始めてるし……あれ？俺は？

　
「2人ともなんでそんなに飲めるの…？」

「まふ君はお酒弱いのが致命的やな。」

「大丈夫ですかまふさん、お水お水……」

「あ、ありがと…」

　
Aからもらったお水を飲みながら改めて2人と見ると、俺と違って顔も赤くなければ
まだまだいけると言わんばかりに追加を頼んでるし……
ふと、目の前にいる志麻君と目が合った。何かたくらんでそうだな。

　

「んで？2人はどないして仲良くなったん？」

「へ…？」

「いや、まふ君今までブランさんと接点なかったやろ？気になってなぁ…」

「あー、こないだ引っ越したら…家が隣だったんだよね。」

「マジか。」

「はい、あいさつに来てくれた時にうちにluz君がいて…まふさんだって。」

「なるほど…」


　
そう聞いた志麻君は、何故かにやにやしてる。
なんだこれ、まさか…うらたさんとさかたん。何か言った！？

　
「そない偶然あるんやな。俺のそんな事起こってほしいわー」

「偶然ってすごいですよねぇ…」

「うんうん。あ、そうや。今度また歌わせてほしい曲あんねんけど…」

「あ、いいですよ。どれですか？」

　
志麻君？ねぇ志麻君？
まさか……志麻君も、好き、とかそんなことないよね？
そうなったら俺マジで勝ち目的なのないんだけど…。
そんな事を考えながら、ひとりお酒を飲んでいるといつの間にかAがいなくなっていた。

　
「あれ…？」

「電話来たんやって。それよりまふ君。」

「なに…？」

「だいぶ惚れこんどるんやな、Aに。」

「はぁ！？」

「さっきから俺を見る目つきが怖いのなんのって。」

「え、完全に無意識なんだけど…」

　
そこまで？そこまでなの…？
何だろう、よくわからないぞ。

　
「…志麻君。今度サシ飲みしよ。相談のって。」

「おう、任せとき。応援しとるで！」
　

……よかった。

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