06.インターホン (masai) ページ7
.
ーーーーピンポーン
日曜日の昼下がり。
つい先程まで寝ていたから実際のところは分からないが、昨夜の天気予報で晴れマークが出ていたことを思い出して、今日はきっと晴れているんだろうと起きてすぐになんとなく思った。
日曜日は基本的に何も予定を入れないようにしているから、今日は1日家にこもって編集でもしようかな、やりかけの仕事に手をつけようかな、こりゃご飯は出前だななんて考えているところになった家のインターホン。
マンションのエントランスにいることを知らせるインターホンではなく、もう部屋の前にいることを知らせるインターホンだ。
普通に考えれば、こういうときは同じマンション内に住むシルクである可能性が高い。
だが、確か今日シルクはンダホと動画の撮影で朝から出かけているはず。
ほかのメンバーが撮影の予定もない日に俺の家に来るとは考えられないし、宅配業者であればまずはエントランスからインターホンを鳴らすはずだ。
って事は同じマンションの住人か…？最近動画の撮影で騒がしくしすぎたか？
そんなことを考えながらモニターを見ると、そこにいたのは小柄で見たことない女の人だった。
え、リスナー？
まず最初にそんなことを思ってしまうのは、YouTuberをしていたら仕方のない事だろう。と、思いたい。
実際、今までにも家まで来られたり待ち伏せられたり後をつけられたり、なんて事があったから。
ただ、そのモニターに映る彼女は、今まで家に来たリスナーさんとはどこか雰囲気が違う気がした。
どこがと言われると説明が難しいが。
だからなのか何となくなのか、自分でもそうした理由は分からないが、いつもなら居留守を使うはずの俺の手は、自然とモニターをタッチしていた。
「はい…？」
警戒心からか、いつもよりさらに低くなってしまった自分の声。
やべ、無愛想に聞こえたかな？
とっさにそんなことを思ってしまった。
『あの、今日隣に越してきた、Aです。挨拶をと思いまして…』
女性特有の高い声。だけどどこか心地いいそれが発したのはそんな言葉だった。
なるほど、引越しの挨拶か。
そう納得はしたものの、正直100%それを信じているわけではない。だけど俺は、
「あ、今開けます」
そう言って、そのまま玄関に向かいながらざっと手ぐしで寝癖のついた髪を整え、玄関のドアを開けた。
.
07.カヌレ (masai)→←05.静かな部屋 (masai)
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 116人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まる(プロフ) - いちごだいふくさん» 嬉しすぎるお言葉ありがとうございます（；＿；）こらからも頑張るのでよかったらまた来てください★ (2018年12月5日 20時) (
レス) id: 8f13031ebc (このIDを非表示/違反報告)
いちごだいふく(プロフ) - すっごい面白いし夢主ちゃんのキャラよきです、、！！これからも頑張ってください！ (2018年12月5日 14時) (レス) id: 0069fa8620 (このIDを非表示/違反報告)
omame790(プロフ) - 優夕花さん» コメントありがとうございます！初コメとても嬉しいです（；＿；）ぜひこれからも読んでやってください★ (2018年12月4日 21時) (レス) id: 8f13031ebc (このIDを非表示/違反報告)
優夕花 - すごく面白い！！これからも楽しみにしてます！！ (2018年12月2日 14時) (レス) id: 2afc75a520 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：おまめ | 作成日時：2018年10月14日 1時
