堕ちろ 13 ページ13
乙女と鬱が退席した総統室にて、男達は恍惚の笑みを浮かべていた。
｢やっと…やっとや…ようやくAが手に入った…｣
ロボロが不気味にぼそぼそと呟く。雑面で顔は見えないが心底歓喜しているのが分かる。
｢何年この時を待ったことか…｣
トントンが息をつく。
｢5年か…長い道のりやったわ〜｣
チーノが伸びをしながら言った。
そう。5年だ。この男達は各々の執着心を持ってようやく愛しき乙女を手に入れたのだ。
｢これからは毎日Aと遊べるんか。楽しみやなぁ｣
ゾムがバタフライナイフで遊びながらそう笑った。
｢…グルッペン。あんたホンマに残忍な奴やな｣
｢なんの事だ。しんぺい神。｣
｢愛おしいお前との約束なら守ろう。嘘もつかない。だっけ？ホンマ惨いで？やって…｣
あの子の家族はもうこの世にはおらんのに
｢…孤児であるAにとっては家族という存在が全てだ。実際、取引でも自分の身よりも家族を選んだ。
もしも、家族が既に死んでいるという事を知ったらきっとあいつは意気消沈するだろう。そうならないようについた嘘だ｣
｢ホンマかいな？｣
｢あぁ、本当だ｣
｢ただ後でネタバラシしてAの絶望顔見る為だけの嘘ちゃう？｣
｢・・・｣
｢…当たりやな｣
しんぺい神は呆れたようにため息をついた。
そしてしんぺい神は乙女が出て行った扉を眺める。
(にしてもホンマに健気やなぁ〜Aは。
………その健気さが利用されとるだなんて俺らが教えない限り気づく事はないんやろな…。
はぁ〜ホンマにかわいい♡はよ教えたげたいわ♡どないな顔するんやろな〜♡)
グルッペンを問い詰めていた先程までの正常な思考は消え、しんぺい神もまた恍惚の笑みを浮かべた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 699人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
明日花(プロフ) - このようなめっちゃめちゃいい作品があるからこのアプリはやめられない！読み終わったあとすぐ一番右のお星様を押しちゃった、、、好きです！ (2022年2月13日 7時) (
レス) id: 6f8c950d7b (このIDを非表示/違反報告)
シュネー - あ、もう、好きぃ……………。は？もうストライクスリーアウトなんだが。最高かよ。(褒めてる) (2022年1月24日 22時) (レス) id: 1ee7840ed0 (このIDを非表示/違反報告)
陽華 - いつか、pink物となる。私の予感 (2020年9月22日 12時) (レス) id: 4fefb0da81 (このIDを非表示/違反報告)
月夜の散歩 - ドストライクすぎて逆に鳥肌…。めっちゃハマります！あ、お星さまちゃんと右端押しときました！ (2020年5月19日 22時) (レス) id: 7ad76e25a2 (このIDを非表示/違反報告)
ももか(プロフ) - ドストライクな小説（＾ω＾）主人公の年齢ってどのくらいなんですか？ (2020年5月19日 10時) (レス) id: 7fd9de27a0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：KIBA | 作成日時：2020年5月1日 18時
