A! と驚く僕の夢12 (ページ14)

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叱らなアカンとき（正門/、晶哉/）ページ14

(晶哉side)

小島「A、とまれ！どこ走ってんねん」

小島くんが焦ってAに声をかけた。

それは、俺と小島くんとAだけの
雑誌の撮影で、
床がコードだらけのところを
Aが小道具のシャボン玉持って楽しくなって
走り回り始めたから。

小島「つまづくやろ。止まれ」

抱きかかえるように小島くんに止められても、
『え〜？けんちゃんなに〜？ダメなん？』
Aは楽しそうに
キャハキャハ笑っとる。
いつものこと。

小島「アカンて。危ない。コードだらけのとこ走んな」

Aは、小島くんと俺しかおらんかったら
たぶん何してもええと思ってる。
シャボン玉、撮影前になくなりそうやし。

晶哉「走るなら廊下行き」

『ろうかは走ったアカンねんで、お兄ちゃん。』
得意げに言われて、

晶哉「わかっとるけど…！ここで走ってつまづいたら
危ないて。何か壊すやろ？」
ほんまに生意気な奴…！そこも許してしまうけど。

小島くんが撮影する番になったら、
またAが、
今度は自分が持ってきた戦隊モノの剣持って
勝手にひとりで
見えない敵と戦って走り回り始めた。

晶哉「A、走るな言うたやろ」

俺が止めに行こうとした矢先、
コードの束にAの右足が引っかかって、

Aは尻餅ついて転んで、

コードに繋がってた高さのある照明器具が
Aのほうに倒れてく。
晶哉「Aっっっ」

俺も運動神経良いほうやないから、
とっさにAに覆い被さるので精一杯で
とりあえず背中に来るはずの衝撃に備えた。

でも、痛みは来なくて、
ガシャンって音がして、

見上げたら照明のポールを誰かの両手が掴んで
俺の頭上で止まってて、
よう見たら小島くんやった。
小島「危っぶな…！」

俺らが無事なん見下ろして「これ、俺、
間に合うたん奇跡ちゃう？」言うて
小島くん、自分でもびっくりしながら、

冷や汗かきながら、
他のスタッフさん数人に手伝われて
「ごめんなさい、ほんますんませんでした」
って言いながら照明を起こして立て直してる。

それを他人事みたいに見てしまってたら、
「晶哉、大丈夫か」
言われながら背中に手を当てられた。
その声は小島くんやなくて、
振り向いたら正門くん。
晶哉「大丈夫です」

『あれ？正門くん？？？』
Aがぽかんとしてる。