A! と驚く僕の夢10 (ページ32)

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一緒にやったけど（リチャ/大晴、正門/晶哉、誠也/）ページ32

(晶哉side)

今日はライブ会場でリハをやって、
終わって割とすぐ、Aに呼び止められた。

『お兄ちゃん』

晶哉「何？」

幼い声に、目線を下げてだいぶ小さいAと目が合った。

『ちょっと行ってみたいとこあんねんけど』

晶哉「何？なんや嫌な予感しかせえへん」

わざわざ、Aの周りに俺と大晴くんしかいないときに
言うてくるあたり、
ホンマに嫌な予感しかせえへん。

『お兄ちゃんはこの会場来たこと何回もあるやろ』

晶哉「あるけど」

『いっしょ来て？たいちぇも。』

汗を拭いてた大晴くんまで誘われてる。

大晴「何？」

Aが俺らを引っ張ってきた場所は、
ドアの前。
そこは、Aだけやなくて
俺らも入ったアカン言われてるとこのドアやった。

『ここは何があるん？』

晶哉「知らんて。小道具とか大道具とかなんか使うもん入っとるんやろ」
呆れながら俺が引き返そうとしたら、
Aが手を掴んで下に引っ張る。

いや、下に引っ張ったんやなくて
普通に引っ張られたらAの背が低いから
下に引っ張られただけやった。

『お兄ちゃん、おねがい、いっしょ来て…？』
上目遣いでねだられる。
『たいちぇもいっしょ来てぇ』

晶哉「いややって。怒られたないもん」

大晴「入ったアカン言われてるやん。
あとでお尻ぺんぺんされてもええの？」

『それはいややけどぉ……たいちぇもお兄ちゃんもいっしょやったら怒られなさそうやん…』

晶哉「そんなことないって」

『おねがい〜何があるとこか見てきたらすぐもどってくるからぁ』

Aは手を離さへんし、
そんな顔で見てくるなっていうぐらい
おねだりするときの断りにくい顔してくる。

『ひとりで行くんイヤやからいっしょ来て？』

晶哉「ひとりでも行くな」

大晴「でもどうせ断ってもあとでひとりで入るんやんな？」

『ひとりではイヤやぁ…いっしょ来て…？』

大晴「ひとりで行かれたら面倒臭いし一緒行ったる」

え…！？なんで！？
そもそもそこは止めるとこちゃうん？

大晴「晶哉も行くやろ？」

『お兄ちゃんも来て〜おねがい、いっしょ行きたい〜』
俺の手を両手で持って、
ぴょんぴょん跳ねてだだをこねながら見つめてくるA。

晶哉「…わかったわ、一緒行く…けど、すぐ戻るんやんな？」
たぶん、俺らも入ったら怒られる。
バレる前に戻りたい。