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「ははっ!面白くてつい意地悪してしまった。もうやめにするから、許して欲しい」
「絶対に許しません」
「ちょっとからかっただけなのに」
「からかうのレベルじゃないでしょあれ!」
「えー?でもなんか気持ち良さそうだったし良いかなって思ったんだけど…」
良いわけないだろ。あんなの…思い出しただけで…。
最悪だ。こんなやつに弱み握られるとか。
「全っ然良くない!!」
「ごめんごめん。もうしないから。ね?」
本当なんだろうか。これからも十分に警戒しなければ…。
いや、正直もうこれからとか無くていい。
「正直怖いのでこれ以上私に構わないでもらえます?」
「えー。あ!じゃあ、これから君に四六時中付き纏うのはやめよう」
元からそうしてくれれば良かったのに。
人間誰しも一人の時間ってのがあった方がいいんですよ。
「でも、もし何かあったらすぐ俺を呼んでくれていいよ」
「その時は一生来ないと思ってくれていいです」
相変わらず冷たいなぁ、と苦笑い。
やっとこの鬱陶しいやつから解放されるんだ。またこの状況に戻りたいなんて誰が思うか。
「まあ、とりあえず今日はもう寝よう」
「私はさっきまで気持ち良く寝てたんですけどね。誰かさんのせいで起きちゃいましたけど」
「ごめんって。眠れないのなら、俺が寝かしつけてあげようか?」
「結構です。今すぐにでも眠れそうなので」
その日はその会話を最後に眠りについた。
久々の布団はやはり寝心地が良く、いつもより深い眠りについていた。
そのせいか次の日はいつもより起きるのが遅く、私が起きた頃にはあいつの姿は見当たらなかった。
「え、今何時!?寝過ぎちゃったかも…」
早く行かなければ延長料金が発生してしまうことを忘れていた。今回の宿泊代は全て負担してくれたみたいだが、流石に延長料金は自分で負担することになる。
そうなってしまっては困るため、急いで身支度を済まし荷物を背負う。
忘れ物がないか確認していた時、気付きたくもないことに気付いてしまった。
「これ、手袋?」
この派手な装飾が施された手袋、見たらすぐにわかる。あの人のものだろう。
手袋なんて普通忘れるのか…?
まさか昨日、あいつを呼ぶことなんて絶対にないって言い切ったから、わざと忘れ物をして会うきっかけを作ったのか…?
流石に考えすぎなだけか。でも忘れ物なことには変わりないし、そのうち届けに行くか。
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蒼(プロフ) - やっぱりタリヤちゃんのベルトはエッッッッッチベルトですよね〜!!表現が分かりやすかったので凄くドキドキしながら見させていただきました〜!!好きです🥹🫶 (10月5日 15時) (レス) @page40 id: 2e07dff5be (このIDを非表示/違反報告)
ららな(プロフ) - 初コメ失礼します🙇♀️とても面白くドキドキしながら拝見させてもらっています笑無理しない程度で頑張ってください!応援してます🔥 (2023年2月25日 15時) (レス) @page40 id: 58171cba1a (このIDを非表示/違反報告)
音羽すず(プロフ) - ゆっきーぷさん» いえいえ!長らくこの作品を読んでくださってありがたい限りです! (2022年12月27日 15時) (レス) id: 07f0f0245e (このIDを非表示/違反報告)
ゆっきーぷ - 何度もすみません… (2022年12月27日 12時) (レス) @page37 id: 01a1df8e04 (このIDを非表示/違反報告)
音羽すず(プロフ) - ゆっきーぷさん» なるほど…思いついたら書きますが、申し訳ないですがもしかしたら書かずに完結してしまう可能性もあります…。 (2022年12月27日 0時) (レス) @page36 id: 07f0f0245e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:音羽すず | 作成日時:2022年7月21日 21時