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今日も練習だ。
俺はいつもどおりスケート靴を履いてリンクへ上がろうとしていたときだった。
阿部「あなた、やる気あるの!?」
突然阿部コーチの怒鳴り声が聞こえた。
結弦「…(めずらしいな)…」
俺は怒鳴るなんて珍しいと思いこっそり様子を見た。
そこにはなんだかがっくりしている（人2）ちゃんだった。
結弦「…(（人2）ちゃん？)」
珍しい、怒られるなんて。
阿部「とにかく今日はもう練習終わりよ。こんなんじゃやっても意味ないわ。」
そう言って阿部コーチは出ていった。
俺は何か励まさなきゃと思って近寄ろうとしたが
（人2）「っ、わからない…」
結弦「(えっ)」
（人2）「誰か教えてよ…わたし、どうして生きてるの??どうして…スケートなんか続けてるの…わたしの存在理由ってなによ。」
結弦「…（人2）ちゃん…」
泣き崩れる（人2）ちゃんに俺は後ろから
そっと抱きしめた。
（人2）「きゃっ!?」
結弦「怖がらないで」
（人2）「羽生!?ちょ…やだ…なんのつもりよ、離して。」
結弦「ヤダ、離さない。だって離したら消えそうなんだもん」
（人2）「羽生…何言って…」
結弦「俺だって、なんのために生きてるかなんてわからないよ…」
（人2）「…」
結弦「でも、生きなきゃいけないんだよ、与えられた命がある限り。」
（人2）「…っ、」
結弦「存在価値がない奴なんか一人もいないって俺は信じてる。」
（人2）「…っ、」
結弦「人生は、プレゼントなんだと思うよ」
（人2）「プレゼント？」
結弦「うん、俺の好きな歌詞の中に、"何十年か生きていい特別なプレゼント、だから楽しみながらゆっくり開けたらいいんだ、辛くて泣きそうでも、それさえもプレゼントだったと笑える日が必ず来る"って。」
（人2）「特別な、プレゼント？」
結弦「うん。」
（人2）「…軽々しく言わないで」
結弦「えっ？」
（人2）「私の気持ちなんか、わかってないくせに！」
ー…ﾄﾞﾝｯ
そう言って、俺は（人2）ちゃんに押し倒され、そのままリンクから出ていってしまった。
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作者名：いつみ | 作成日時：2019年7月9日 10時
