限界オタクの隣人事情３ [斉藤壮馬]

102　未知の世界 ページ2

西山宏太朗さんの歌を聴きながら、「壮馬の友達なんて信じられんな」と考えながら歩く帰り道。


や、彼氏の友達が人気声優ってやばくない？
と思いましたがまず彼氏が人気声優だった。


マウント女みたいだな...。


自宅のドアの前に立って、
今何時だろうと時計を見る。


そしてそれと同じタイミングで、
壮馬の家の方から、大きな笑い声。


お友達でもいらっしゃってるのかな。


そんなことを考えながら、暗い部屋に入り込む。


ぱちん、と電気をつけ、
手を洗ったり、荷物を片付けたり。


ある程度終わったかなと思い、スマホを開く。


あ、壮馬から連絡来てる。


壮馬うち来ない?Aに合わせたい人がいてさ
A今帰ってきたわ、行っていい?
壮馬おかえり。おいでおいでー
A行きまーす


合わせたい人って誰だ？と思いながら、
ついさっき見た扉の横のインターホンを押す。


「はーい」と聞こえてきたのは、壮馬の声じゃない。


でも、聞き覚えがある。


「いらっしゃーい！」


『...』


ビビりすぎて声出ないし1歩引いちゃったわ。


え、こ、このお方は、その...。


西山さんでは...？


『え、あの...』


壮「困ってるじゃん、宏太朗。どうするの」


西「え、あ、ごめん！」


『いやいやいやいやいやいや謝らないでください』


西「えっと...西山宏太朗です」


「どしたの〜〜」


『え』


でかい人。


『...ちょっと壮馬』


壮「ん？」


『なんで江口さんと西山さんがいるの！！！！！』


壮「おぉ、俺らに劣らない声量だね」


『そこじゃないでしょ...。合わせたい人って...』


てか西山さんに会ったとか言ったら
由亜に罰されるでしょ普通に...。


壮「ふたりとも前々からAに会いたいって言ってて。ちょうど今日2人が来るって言うから」


『...わかったようなわかってないような』


ちらっとおふたりの方を見ると、
仲良くデコピンし合ってた。...なんで？


壮「まあまあ、とりあえず入ってよ」


覚悟を決めて、息を吸って。


『おじゃまします』

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