付き合えただけで奇跡だと思ってる彼女と五条先生 (ページ3)

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あれから私は術師の方々を送り届け、自室に戻り延々とインターネットで初デート後の失敗談を漁っていた
頭の中ではやめておいたほうがいいということはわかっていたのに、つい怖いもの見たさで覗いてしまったのが運の尽き
たった数時間前まではお花が咲いていた私の頭は今、荒野のごとく荒れてしまっていた

デートの日は五条さんが上に無理を言ってやっととれた休みらしく、その分週末まで大量の任務が五条さんのスケジュールに詰め込まれている
こんなただの妄想で一週間ぶりに会う予定の五条さんに余計な心配をかけたくはないし、私の放つ暗い雰囲気でデートが台無しになってしまえばいよいよ妄想が現実になってしまうかもしれない
それだけは阻止しなければ、と思った私は気合を入れ直しいつもより念入りにお風呂上がりのスキンケアをして眠りについた

デート当日、新しく買ったワンピースに夏らしいサンダル、研究に研究を重ねたヘアアレンジとメイク、五条さんに付き合う前の誕生日プレゼントでもらったピアスをつけていざ待ち合わせ場所に向かえばそこには白髪で高身長のスタイルおばけが立っていて、サングラスの隙間から覗く青い目はいつ見ても見惚れてしまうほど綺麗だ

「お待たせしました」

「おー、やっと来た……」

サングラスをしていてよくわからないけれど、じっと見られている気がする

「…じゃあ行こうか」

「あ、はい」

なんだったのかは結局わからなかったけれどいつもの口調で手を差し出してくれたので私はおそるおそる五条さんの手をとった

水族館に着いて私達が真っ先に向かったのはクラゲコーナー
私はもともと水族館が大好きで、その中でもクラゲコーナーはふわふわと浮いているクラゲ達を見ているとあっという間に時間が過ぎてしまうので特にお気に入りだ

「凄い…綺麗ですね」

「うん、そうだね」

クラゲコーナーは暗くて落ち着くので、静かな空間に違和感を感じていなかったが、さっきから五条さんとの間に全く会話が無い事に気が付いた
その事に気づいたのはここに来てから三十分が経った頃
クラゲに夢中になっていた私はハッとして五条さんの方を見るも、水槽の上の方を見ていて私の位置から五条さんの表情を見る事は出来なかった

「……ん、どうしたの？次のコーナー行く？」

「そう、ですね。そうしましょうか」

私の視線に気付いた五条さんはいつも通りだったがさり気なく次のコーナーを勧められて、やはりつまらなかったのではと私は思った