第二ボタン 【 一松 】 ページ39
※付き合っていません
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『 うそ… 』
今日は、高校の卒業式
そんな最後の日に、よくありがちなアレ
好きな人の第二ボタンを貰うやつ
その、好きな人
松野一松くんの第二ボタンを貰いたかったんだけど
『 もうないじゃん… 』
彼の制服にはもう、第二ボタンが無かった
確かに、予約をしていた訳でもないし
貰える保証なんてなかったけど
それでも
『 欲しかったなあ… 』
そんな私の嘆きの声は、周りのガヤガヤとした声にかき消されて
あ。
一松くん、帰っちゃう
ああ待って。
せめて、最後くらいは
『 い、一松くんっ 』
「 っ! 」
『 あの… また、
またねっ!! 』
私のものにはならなかった一松くんの第二ボタンが
誰の物になったのか、気にしたくなくて
もう今後会えないかも、なんて思いたくなくて
精一杯の笑顔で最後の挨拶
よし、これでいい
これで
早く帰ろう、泣いてしまう前に
「 ま、待って…っ! 」
『 えっ 』
足早にその場を去ろうとした私は
彼の少し焦ったようなその声に立ち止まる
「 あの…
これ、いる? 」
『 ……へ、』
私を呼び止めた彼はおもむろにズボンのポケットを漁って、何かを取り出しては私に差し出した
『 え、なに… 』
「 要らないなら捨てて 」
そう言いながら、ちょっと無理やり私の手に握らされたそれ
私の手のひらに納まったそれを確認しようと
目をやれば
『 え、こ、これ… 』
手のひらの上に、コロン、とある
第二ボタン
『 これ、い、一松くんの 』
「 前に…、
あんたが、その、友達と第二ボタンの話してたの聞こえて 」
" 一松くんのが欲しい "
って、聞こえた、から
と、
『 え!? き、聞いてたの!? 』
「 いやごめん、たまたま聞こえたっつーか… 」
なにそれ、恥ずかしい。
本人に直接言う前からバレてたとか。
でも、欲しかった彼の第二ボタンを
貰うことが出来たから結果オーライかも
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『 あ、ありがとう
嬉しい、です 』
「 ふーん…
第二ボタンなんか貰ってどうすんの 」
『 え!?
い、一松くんだと思って大切にします! 』
「 なにそれ
…じゃあさ、俺にもなんか頂戴 」
『 えっ 』
「 あんただと思って、大切にするからさ 」
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しゃび(プロフ) - ごはん(50)さん» コメントありがとうございます。そこまで褒めて頂いてとても嬉しい限りです…！沢山あるおそ松さん作品の中から私の作品を読んで頂いてありがとうございます！更新はまちまちになってしまって申し訳ないですが、これからも頑張りますのでよろしくお願いします！ (2019年8月23日 18時) (
レス) id: f924ce756f (このIDを非表示/違反報告)
ごはん(50)(プロフ) - こんにちは!!しゃび様の作品全部見させて頂きました!!どれも最高です。この様な短編集やおそ松さん作品の中でもしゃび様の書くお話が一番好きです。お気に入り作者登録も失礼ながらさせて頂きました!! (2019年8月20日 17時) (レス) id: 535205595b (このIDを非表示/違反報告)
しゃび(プロフ) - 苺夢さん» 時間はかかってしまいますが、それまでお待ちいただければ幸いですし、なるべく詰まらないようにこちらも頑張りますので、よろしくお願いします。 (2018年12月29日 9時) (レス) id: f924ce756f (このIDを非表示/違反報告)
しゃび(プロフ) - 苺夢さん» こちらまで読んで下さりありがとうございます！とても嬉しいです。辞める、と言うよりは一旦おやすみということなので、勿論チョロ松のオンリー短編集も書かせていただきますし、全員書き終わったらまたこういった短編集を再開しようと思っております。 (2018年12月29日 9時) (レス) id: f924ce756f (このIDを非表示/違反報告)
苺夢(プロフ) - やめちゃうんですね、。でも！推しがチョロ松なので気長に待ってます！あ、えと、焦らないでくださいね！しゃびさんの作品読み返して気長に待ってます！これからも頑張ってください！！ (2018年12月28日 22時) (レス) id: 4fd2aa824a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しゃび | 作成日時：2018年9月1日 0時
