【 鬼滅の刃 】伊之助さんとそんな日々【 嘴平伊之助 】

伊之助さんに生きて欲しい日 ページ44

伊之助さんが来てくれた
目の前にいる、私の想い人



｢ オラクソ鬼ィッ
どこ見てやがんだ! 隙だらけだぜッ ｣

鬼 ｢ ッ、ムカつくガキだ ｣



ああ、来てくれた
信じてよかった、貴方なら来てくれると



｢ ちょこまか逃げんな雑魚がッ!! ｣

鬼 ｢ 君こそちょこまかと鬱陶しいね ｣



図体がでかいだけに、伊之助さん一人ではあの鬼の頚に中々届かない

ああどうしよう、私はこんな時にも無力だ

絞められた首がまだ痛む
体はまだ血鬼術で縛られていて



『 ぅ、ゲホ、』

｢ !! Aッ ｣

鬼 ｢ あれ? 他人を心配してる暇あるのかな? ｣

｢ うおッ!! くっそが…ッ ｣



口から血、喉が少しやられたのかも

まずい、伊之助さんに心配をかけては
彼がよそ見をした隙にすかさず攻撃をする鬼



｢ グア…ッ!! ｣

『 !! いの、すけさ…ッ 』



ああ、伊之助さんが…!!

攻撃を避けきれず吹っ飛んだ伊之助さんの体と、その衝撃で取れる猪頭が私の方へと転がってくる



『 いの、カハ…ッ 』

鬼 ｢ ああ苦しいよね、早く殺してあげるから ｣



折角伊之助さんが鬼を遠ざけてくれたと言うのに、また鬼は私の首に手を伸ばす



｢ …だーァかーらァ…
俺の!! Aにッ 触んじゃねェッつってんだろーが!!!! ｣

鬼 ｢ !? ｣



私の首に鬼の手が届くことはなく、後ろからは大きな大きな怒号



鬼 ｢ あの衝撃でまだ生きてるなんて ｣

｢ 俺様を誰だと思ってんだよ
俺があのぐれェで死ぬかってんだ!! ｣

鬼 ｢ ああもう本当に鬱陶しい ｣



伊之助さん、血塗れだ
きっと傷、深い
私が治してあげなくちゃ

だから、私が治してあげるから
生きてお願い、生きて

伊之助さん

好きって言いたいから、
生きて、



『 いの、すけ、さ 』

｢ ッ! だからお前は喋んなって…っ｣

『 いのすけ、さん
生きて、いきて お願い、生きて、』

｢ !!! ｣

鬼 ｢ はは、二人とも生き残れるって考えてるなら相当おめでたい頭だね ｣



痛くて苦しくて、意識が飛びそうだ

だけど伊之助さんも同じなんだ
きっと彼も、限界を超えている

それでも鬼を倒す為に、
私を助ける為に



｢ ッるせェんだよテメェ!!!
俺でもアイツでもねぇ、死ぬのはお前だ!! ｣

鬼 ｢ っ!? さっきより速い…ッ
だけど追いつけない程じゃないな ｣

｢ ッ!! ぅガ…ッ ｣



伊之助さん、伊之助さん

伊之助さん。



『 伊之助さんッ!!!
貴方に言いたいことがあるんです!!! だからお願い、絶対に勝って…!!! 』

｢ ッ!! ｣

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