【 鬼滅の刃 】伊之助さんとそんな日々【 嘴平伊之助 】

伊之助さんとケーキを食べた日 ページ24

『 で、出来た… 』



初めて作ったにしては上出来では…?
結構な自信作

今日は初めて、ケーキを作った

ふわふわのスポンジに白いクリームがたっぷり塗られていて、その上には沢山の甘くて赤い苺



『 ん…! 美味しいぞこれは…! 』



一口食べて、口に広がる甘い味
上手く出来て良かった



『 伊之助さん伊之助さんっ 』

｢ 何だッ どーした!! ｣

『 ちょっと 』

｢ ? ｣



蝶屋敷の庭で鍛錬をしていた伊之助さんをちょいちょいと手招きすると、不思議そうにしながらも着いてきてくれる



『 どうぞ! ショートケーキです 』

｢ うお、何だコレ!!
甘いヤツか? ｣

『 そうです
ふわふわでとっても美味しいんですよ 』



やっぱりこの人に食べてもらいたくて、
早速呼び出してケーキを出す

食べて食べてと勧めれば、フォークを不器用に持ったその手で食べてくれる



｢ …!!
んだこれ、フワッフワ…! ｣

『 ケーキ、美味しいでしょ? 』

｢ うめぇ!! ｣



大抵何を出しても美味しいと食べてくれる伊之助さんだけど、
今回も例外はなく、いつもみたいに頬を膨らませてばくばくとケーキを食べている



『 私も食べよう 』



ケーキ一切れをお皿に乗せて、伊之助さんが座るその向かい側に座った



『 うん、やっぱり美味しい! 』

｢ お前何でも作れんのか ｣

『 まぁ、料理は好きですからね 』



逆にそれくらいしか得意な事ってないけど。
でも料理出来て良かったなって、

伊之助さんがこんなに美味しそうに食べてくれるから

あ、また私、伊之助さんの事考えてる



｢ … ｣

『 ん? どうしたんですか 』



ふと、視線を感じてそちらを見れば
じっと私の顔を見つめる伊之助さん

何かついてますか? って聞くより先に



『 ぇ 』

｢ ン。｣



ぐっと伊之助さんの顔が近づいた

そして、そのまま、口元に
ぺろ、と舌が這う感覚



『 ッッ!!!??!???!? 』

｢ お前口に付いてたぞ、この白いの ｣



クリームだ、多分
口元についてたクリームをこの人は

舐めとった



『 い、いま、今…ッ 』

｢ ? 何だよ、｣



当の本人はケロッと平然とした顔をしていて

私はと言うと、
理解が追いつかなくて、ばっくばく

顔はきっと赤いし、恥ずかしさから汗が止まらない



『 伊之助さんの馬鹿ッ!! 』

｢ ハァン!? 何でだよッ
て、おい! どこ行くんだテメェ!! ｣



それ以上そこにいたらもう、爆発する

走って逃げ出す私
心臓の音、うるっさい

伊之助さんと閉じ込められた日→←伊之助さんが手紙を拾った日 ※少し修正しました

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