【 鬼滅の刃 】かまぼこ隊と恋する短編集 弐

あの人より 【 善逸 】 ページ10

※付き合っていません
善逸side
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『 宇髄さんってかっこいいよね 』


｢ ハァ!? ｣



Aちゃんの口から出たその名前に驚きを隠せない俺




｢ ど、どこがッ!? ｣


『 顔 』





いやうん確かにあの人めっちゃイケてんなとか思ったけどね!?





『 それに強いし、あと絶対音感持ってる所もいいよね 』


｢ それ以上聞きたくない! もうそれ以上あの人のいいとこ聞きたくないッ!! ｣





そりゃそうだよ

だって、好きな子の口から他の男を褒める言葉なんて聞きたい奴いないだろ





｢ 絶対音感なら俺も持ってるしね!?
琴も三味線も弾けるし!! ｣





なんて、張り合う俺

いや宇髄さんに張り合おうなんて無理な話だけどさ





『 あと宇髄さんってお嫁さん想いで素敵だよね 』


｢ あれ無視!? 俺の事無視!!? ｣





騒ぐ俺の声がまるで聞こえてないかのように、まだあの人のことを褒める


ああもう、俺だって。





｢ た、確かに宇髄さんはいいよね!?
三人も嫁いて強くて柱で、俺に無いもんいっぱい持ってる! ｣





だけどさ、って
Aちゃんが俺を無視できないように視線を合わせて





｢ 俺だってAちゃんの事めっちゃ想ってるし
誰よりも大切にする自信あるよ ｣


『 ! 』


｢ 俺、強くないしまだまだだけどさ
いつか宇髄さんより強く… は無理かもだけど柱とかになって、もっとかっこよくなるから ｣





宇髄さんのことかっこいいって思ってても、いつかその相手が俺になるまで





『 善逸 』





そんな事を考えていれば、呼ばれた名前





『 確かに宇髄さんはかっこいいし、憧れだよ 』





でもさ
と続けて俺の両頬を彼女の手が包む





『 好きな人が、宇髄さんとは言ってないよ』


｢ へ… ｣


『 かっこいいと思う人は宇髄さんでも、好きだなって思う人は善逸だよ 』





その言葉に、俺の脳が追いつくはずもなく





｢ はっ、
え、は…ッ!!? ｣





混乱して上手く言葉が出ない俺を見てふふっと笑うAちゃん



いや可愛いけどちょっと待って、何…





『 あ、私カナヲに呼ばれてるんだ 』


｢ えっ!? ｣






スっと思い出したように立ち上がるから
俺は完全に置いてけぼり。






｢ ちょ…ッ!! ｣


『 善逸、後で返事聞かせてね 』







振り返って笑顔と共にその言葉を残して行っちゃう彼女



何それもうさあ、




｢ あーもうずるい! 可愛いッ
答えなんて分かってるクセに!! ｣

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