会いたいだけ 【 一松 】 ページ5
『 一松 』
｢ … ｣
『 一松 』
｢ ……何 ｣
うん。
『 いや、何じゃなくない!?
こっちのセリフじゃない? 何この状況!! 』
突然、
一松が家に来てと私に電話してきたので、松野家に来たのはいいんだけど
無言で出迎えられ、無言で手を引かれ、
無言で2階に連れていかれ、無言で六つ子の部屋に入れられ、無言でソファに寝かされ、
その原因である一松が私の上に無言で覆いかぶさっている。
いや、どういう状況?
『 え、なに、なんの用で呼んだの 』
｢ …用がなくちゃ呼んじゃダメなの ｣
『 え? いや、そういう事じゃないけど
家来てって言われたら、なんかあるのかと思うじゃん 』
｢ 残念だったね、なんもないよ
ただ、俺が会いたかっただけ ｣
何、今日は
『 やけに素直だね、いちまっちゃん 』
｢ 悪い?
あと、その呼び方やめろ
くそ長男思い出す ｣
わざとあだ名で少し煽るように言えば
ちょっと拗ねたような言い方
『 あははっ
そう言えば他の兄弟はいないんだね 』
｢ いたら家に呼ぶかよ ｣
『 え〜
たまにはお話したい 』
｢ ダメに決まってんだろ
あいつらいるとろくな事にならない… ｣
『 ヤキモチ妬くなよ一松 』
｢ 妬いてない ｣
なんてダラダラ、ソファの上で2人、何でもない会話
なんだかよく分からないけど
ほんとにただ私に会いたかっただけみたいだ
ふと、一松が顔を上げ、私を猫みたいにじっと見つめる
｢ 空気読めよ ｣
『 は、え? 』
｢ …目ぇ閉じろってこと ｣
ああ、キスするんだね
相変わらず不器用だなーと思いながら、目を閉じる
ゆっくり唇が触れる感触を感じながら、その時間に浸る
_______________________________________
｢ ねぇ、一松兄さん ｣
｢ 何、トド松 ｣
｢ 今日、兄さんの彼女来てた？｣
｢ は!? なんでっ ｣
｢ 家に忘れ物取りきた時、玄関に女の子の靴があったから ｣
｢ それ見たのが長男だったら絶対邪魔されてた… ｣
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しゃび(プロフ) - 苺夢さん» コメントありがとうございます。好みと言って下さり嬉しい限りです...！拙い短編集ですがお楽しみいただければ幸いです。短編集は幾つか続編もありますので、興味があったら是非そちらもよろしくお願いします。本当にありがとうございます！ (2018年12月27日 23時) (
レス) id: f924ce756f (このIDを非表示/違反報告)
苺夢(プロフ) - すごい好みの作品です！！まだ読み始めたばかりなんですけど（笑） これからも沢山読ませていただきます！いろいろと、頑張ってください！！ (2018年12月27日 23時) (レス) id: 4fd2aa824a (このIDを非表示/違反報告)
しゃび(プロフ) - Fall ill appleさん» コメントありがとうございます。神なんてとてもとても... ですがそう言っていただき本当に嬉しい限りです。こんな短編集ですが、楽しんでいただけているのなら幸いです。本当にありがとうございます。 (2018年7月27日 19時) (レス) id: f924ce756f (このIDを非表示/違反報告)
Fall ill apple(プロフ) - 面白いというか神ですね。素敵な短編集をありがとうごさいます。本当にリスペクト。 (2018年7月26日 19時) (レス) id: 1efb67011f (このIDを非表示/違反報告)
しゃび(プロフ) - サクラさん» コメントありがとうございます。長編の小説も同時更新していますので、そちら優先になってしまい、短編集の方は思いつき次第の更新になりますが、それでも気長にお待ちいただければ幸いです。 (2018年7月19日 18時) (レス) id: f924ce756f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しゃび | 作成日時：2018年7月1日 22時
