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自分があまりにも惨めすぎて、情けなくて、抱き締めてくれる腕にギュッと縋り付いて泣いた。
「……立てる？」
暫く泣いて、まだ涙は止まらないけど、さっきよりは落ち着いた私に男は訊ねる。コクリと頷くと、明らかにホッとしたのが雰囲気で気付いて、彼の手に支えられながらひょこっと立ち上がった。
「あ、靴ないね」
キャップ帽の鍔でよく顔は見えない。でも鍔にすっぽり顔が隠れてしまうくらいお顔が小さいのは分かった。
私はパンプスの行き先を彼に教えた。指を指して、道路に落ちたと。
「あー、もしかしてこれ覗いてたとか？ え、じゃあ俺の早とちり？」
「…………」
そうでもないから弱く頭を左右に振れば、しゅんとした。なんか分かる。分かりやすい。
もう一度下を覗いて、ゆっくりとこちらを振り返った彼は私の前に背中を向けて屈む。「なに？」と訊けば「乗って」と言われて、「やだ」と即答すれば「いや乗ってよ！」と半ば無理矢理おんぶされて地上に降りた。
「ここで待ってて」
そう言われ街灯の下に待たされる。何をするつもりなのかと見ていれば、彼はキョロキョロと左右を確認して車が来ていないか見てから、スタスタと４車線道路の真ん中まで行くとパンプスを拾って戻って来た。
いくら夜中と言えど、他人のパンプスの為に道路を渡るなんて。その上、それを私に履かせてくれるなんて、男なんて生き物を嫌いになりそうだったのに彼のおかげで少し嫌いになる程度に収まるかもしれない。
「じゃあ、はい」
「え？」
彼はまた私に背を向けた。またおんぶしてくれるつもりらしいけど、さすがに悪くて「……歩けるから」と言えば、「だったら手を貸して」と手を引かれた。
足を引き摺る私に合わせてゆっくり歩いてくれる。なんでそんなことしてくれるんだろう？ と帽子からちょこっと出てるピンク色の髪を見詰めた。
そうだこの人、見掛けはとても優しそうには見えない。ダボッとした大きな服と帽子に隠れてるけどド派手ピンクな髪の毛、夜なのにカラーサングラス？ 見るからに怪しい。
「ここでいいかな」
小さな公園のベンチ。そこに座ってと言われ、言われた通りに座るとチャラそうな彼は近くの水場まで行って戻ってくる。どうやらハンカチを濡らしたきたらしい。
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ゆきんこ(プロフ) - ありがとうございます😌新鮮な💗さんになっているでしょうか。楽しんでもらえたら嬉しいです！💚にも主人公にも頑張ってもらって彼の心を開かせたいですね！ そうなんです。使えないから2個買えば良かったって思う子です😁 (2023年2月27日 15時) (
レス) id: 928c91c1dd (このIDを非表示/違反報告)
aya(プロフ) - これまでにあまりない感じのさくまさん、、どう心開いて？近付いてくるのか気になります！あべちゃんにもぜひまた頑張ってもらって😉お買い物も憧れますがピアス選んでくれるなんて大事すぎて使えませんね(//∇//) (2023年2月21日 19時) (レス) id: ff23500b61 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - sakiさん» コメントありがとうございます😊 ツンも、めちゃくちゃツンじゃないのがいいですよね！って思ったらもっとって言われちゃった😂 (2023年2月18日 13時) (レス) id: a30efcea94 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - ★mmiioo★さん» コメントありがとうございます😊 💚ちゃんこれが💗さんの為になると思ってやってます😊元彼はきっとまた出てきます(笑) 頑張ります！！ (2023年2月18日 13時) (レス) id: a30efcea94 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - 流布さん» ありがとうございます😌 閲覧垢じゃないからと、しっかり守ってくださるの有難いです！どんな形でも感想頂けることは1番の励みになるので嬉しいです😆 (2023年2月18日 13時) (レス) id: a30efcea94 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆきんこ
| 作成日時：2023年1月30日 16時
