表情一変雰囲気激変 ページ45
「でもほんと、あの夜俺らの知らないところで行き倒れになってた松本を見つけて適切に対応してくださった小宮山さんに嵐一同めちゃくちゃ感謝してて、一度ちゃんとお礼をしておきたいと思ってたんです」
「櫻井さん」
「本当にありがとうございます、うちの松本がお世話になりました」
櫻井と二宮に座ったまま深々と頭を下げられてAはものすごく恐縮する。横を見ると松本も頭を下げている。
なんだこの構図。何が起こっているんだ。
他の人が見たら心の底から「なんだあの女」状態です勘弁して。
「あの、そんなご丁寧にありがとうございます。でも本当に十分すぎるものを返してもらっているので。顔あげてください」
Aもペコリと頭を下げる。
全員が頭を下げているので、一見すると怪しい集団だ。一応そんなに外からは見えないけれど。
ちらりと顔を上げると、松本もこちらを見ている。そのままニヤっと笑うから、Aは漸く気がつく。
「ちょ、からかったでしょ！？ からかったよね！？ 松本っ」
「ははは、Aさんどうどう」
「二宮さんも櫻井さんもっ。‥‥信じられないこれが嵐の洗礼‥」
「ごめんて、な、機嫌直してよ」
一頻り笑って気が済んだ松本が、Aの口元にむにっと何かを当てる。もぐ、と食むとオリーブの実の独特の風味が広がる。
だから何なのよという気分でふてくされたままジト目で松本を見つめると「ちょっとトイレ〜」などと言いながら彼は席を立ってしまった。
「あ、逃げた」
「逃げたな」
「んもー‥‥これ美味しいな、もう一個」
「いやほんと自由ねあなた」
「繕ったってしょうがないって学びましたから」
もう一つオリーブをとってAはそれを口に運ぶ。
膝で頬杖をつく二宮は苦笑している。
その横で、櫻井はじっとAを見つめている。
「‥‥穴が開きそうなんですけど」
その強すぎる視線にAはそっと櫻井を見つめ返した。
口元はうっすら微笑んでいるのに、その表情は読めない。
先ほど松本と見つめ合った時とは全く違う緊迫感が三人を取り巻いている。
「ごめん。でも小宮山さん本当に普通の人なんだなって思って」
「超ド級の一般人ですよ」
「合気道で全国屈指の実力を持ってたのに一般人って。そのまま進んでたらもしかして世界一も夢じゃなかったんでしょう」
「――調べたんですか」
予想だにしなかった言葉にAの表情が硬くなる。
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お塩(プロフ) - ゆぃさん» ゆぃさん、一気読み疲れないですか？今後どんどん長くなる上に、どんどん何なのこの人たちってなるので(笑)ありがとうございますー！ (2021年10月3日 19時) (
レス) id: c86e5730cc (このIDを非表示/違反報告)
ゆぃ(プロフ) - 小出しもいいけど、一気に読めると尚嬉しいから 一気に出しても大丈夫ですよ~♪ (2021年10月3日 13時) (レス) @page29 id: 7a81be16ec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：お塩
| 作成日時：2021年9月29日 1時
