たまらない ページ23
「‥すみません、忘れてください」
「なにを？ おねーさんの歳？」
色々とです、と返し、歩き出す松本の隣に並ぶ。
が、なにやら斜め上から視線を感じる。視線の主は解っている。
「なにか？」
「いや、なんつーか‥おねーさんって本当に面白いし良い人だし可愛いって言われない？」
「そんなこと一回も」
「嘘だろ、だって」
松本の声が今までで一番楽しそうというか、嬉しそうに聞こえたので思わず顔を上げる。
シマッタと思ったけれど後の祭りで。
口元に手を当てて、締まりなく笑う顔は超ド級のイケメン可愛い無罪！ である。
ファンとかファンじゃないとか関係なく、見惚れるなという方が無理の代物だ。
「だって、俺ら嵐の事興味ないって顔してるのに、俺の生まれ年知ってるって、もしかして調べた？ 気にしてくれたわけ？」
たまらないという様子で笑われて、今度こそ彼女は顔を真っ赤にした。
連れていかれたのは松本のおすすめだという会員制のカフェだった。
駅前からしばらく歩いたビルの一角、2フロアをぶち抜いた天井が高い開放的なカフェに、彼女はただただ目を白黒させるしかない。
すでに予約していた周到さで、さくっと席に案内される間、彼女は浮かない程度に周囲を見回した。
(本当にあるんだ、こーゆー会員制のとこ‥‥いやまぁ私には一生縁が無いのは解った)
調度品のひとつひとつが派手じゃないのにしっかりした作りだと解る。洗練されたデザインなのに、どこか懐かしさを感じる木の木目に指を滑らせてみればその手触りにうっとしとしてしまう。
「俺まだ朝も食べてないから、一緒にと思って」
「おぉ‥なんて豪華なブランチなんでしょう」
「なにそれ」
松本が苦笑している。
豪華なの？ 俺と食べると？ なんて自分の立場をわかっているのかいないのか。
少年のような笑顔に、本当によくわかんない人だなと思う。
勝手に抱いていた某ドラマの俺様金持ちキャラのイメージが薄れていく。
「いや、松本さんと同伴とか‥‥っていうか！ 良いんですか私と来て、変な噂にならないですか？」
会員制ということはここは多分そういう人たちの社交場でもあるのだ。だからいろんな噂も行きかうだろう。
ビッグアイドル嵐の松本が、どこの誰ともわからぬやぼったい一般人を連れているなんてこれは彼の評価に関わるのでは？ と俄かに心配になってくる。
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お塩(プロフ) - ひーちゃんさん» ひーちゃんさん、コメントありがとうございます！えっ、ヒーちゃんさんも夢落ち潤担さんですか！？そんな偶然があるとは驚き過ぎて笑ってます。続きは実はできてるので、修正しつつそのうちページ作りますね！ゆっくりお待ちください！ (2021年9月22日 15時) (
レス) id: bdf4956e41 (このIDを非表示/違反報告)
ひーちゃん(プロフ) - お塩さま、作品を楽しく拝見させて頂いております。夢堕ち潤担！私もです( ・∀・)ﾉ﹛ﾊｰｲ!何だか嬉しく思いました。続きも心待にしております。 (2021年9月22日 2時) (レス) @page28 id: af081d03e4 (このIDを非表示/違反報告)
お塩(プロフ) - ゆぃさんありがとうございますっ！私の中ではむしろ一番古い話なので不思議な気分です(笑)創作意欲ばっかり溢れて実際は空回りですよ‥‥ふへへ。いつもゆぃさんに励まされてます！ほんとにありがとうございますー！！ (2021年9月1日 12時) (レス) id: c86e5730cc (このIDを非表示/違反報告)
ゆぃ(プロフ) - - ここにきてまさかの新作とは！驚きです！！お塩さんの書きたい意欲が凄い♪無理しないでくださいね~ (2021年8月30日 14時) (レス) id: 7a81be16ec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：お塩
| 作成日時：2021年8月7日 1時
