続き ページ46
鬼灯さまは、閻魔殿の前で待っていた
鬼灯「貴女がAさんですね?」
貴女「は、はい…」
少し緊張しながら、私は挨拶した
鬼灯「私が、閻魔大王第一補佐官の鬼灯です、ようこそ閻魔庁へ」
鬼灯さまは、優しく私をエスコートした
これが、あの黒い噂の鬼灯さま…?
鬼灯「実は、貴女の実のお母様から、何かあれば娘をお願いします、と頼まれていましてね」
貴女「お母さんから…?」
鬼灯「はい」
貴女「じゃあ、あの黒い噂は…?」
鬼灯「もちろんデタラメです、ですがそうでもしないと、余計な方が来てしまうと思ったので」
余計な方=義姉
鬼灯「私はあの母娘を知っていましたから」
貴女「そうなんですか…?」
鬼灯「知りませんでしたか?あのふたり、けっこう有名な問題児ですよ?」
どうやら、とんでもないのが家にいたみたい
鬼灯「あのふたりが貴女の家に…と聞いたとき、血の気が引きましたよ…何もされませんでしたか?」
貴女「えっと…毎日ひっぱたかれてました」
鬼灯「あぁ、やっぱり…」
鬼灯さまは、あのふたりならやるだろう、と思っていたそう
鬼灯「あのふたり…特に継母に叩かれてませんでしたか?」
貴女「まあ、頻度でいえば…はい」
継母が手を上げてくるのが多かったな
鬼灯「継母の方は、貴女のお父様にご執心でしたから」
貴女「そ、そうなんですか…」
鬼灯「しかし、もっと早くにこうしていれば……チッ」ブツブツ
色々と心配しての婚姻だったのかな
鬼灯「しかし、もう大丈夫です、向こうはきっと、貴女が私に虐げられていると思うでしょう」
貴女「………」
私は、父のことを思い出した
言いなりだったとはいえ、優しい父だった
噂はデタラメだったと、父にだけは伝えたい
鬼灯「Aさん?どうかしましたか?」
貴女「あの…父にだけは真実を…」
鬼灯「あぁ、そうですね」
鬼灯さまは、父への手紙をしたため、
父親以外は開封禁止、と添えて
私の家へと出した
NOside
父親「…そうか、鬼灯殿が…!」
鬼灯の手紙を受け取った父親
手紙には、
継母と義姉には
自分がAを虐げているように言ってほしい、
貴方はいずれ式に呼びたい、
この手紙のことは知られないように、
と書かれていた
父親「承知した、鬼灯殿…!」
そのとき、ノックの音がして
父親は慌てて手紙をしまい
何もなかったように振る舞った
Aは鬼灯に大切にされ、
幸せに過ごしていた

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作者名:Nami☆ | 作成日時:2024年3月1日 15時