幽霊になった件について【stpr】

1話 ページ1

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ある日の昼下がり。セミの声がやけに騒々しい日だった。





私は、死んだ。




死因は事故死。車に轢かれて死んだ。ただそれだけ。
信号無視してきたトラックにフルボッコ。
飛ばされた体は痛いし、アスファルトも熱を含んでいて本当に散々だった。
なんてこった私の人生。神様私の事嫌いなんかなって。
唯一の心残りは私の推し。出来れば最後まで応援したかったなぁ…なんて。


まあそんなこんなで17年の生涯を閉じてしまったわけなんですけど。


気づいたら真っ暗な空間にいまして。
意識ははっきりしてるの。ただ体の感覚がない。
魂って感じ？多分そういうこと。

天国にでも行くのかなぁとか地獄かなぁとか色々考えてたら急に眠たくなっちゃって。
寝ました。ええ。ガッツリ寝ました。
鬼快眠でした。ありがとうございました。


んで、目が覚めたら知らない人の家にいました。ﾊｲ。なんで？？？？？

でも生きてるわけではなさそう。だって浮いてるし。体透けてるし。
服は愛用してる部屋着。死んだ時は制服だったんだけど…。まあいっか。

さてどうしようかなこれから。

とりあえず勝手に家の内装チェックしようかな。
幽霊だからバレないっしょ。誰かの家見るの面白いよね。へへっ

ペットが4匹いるのか…なるほどね？猫ちゃん3匹にわんちゃん1匹。かわいい。
家具も性能いいやつばっか…。相当な金持ちだなこりゃ。
ルンバもいる、と…。うわすっごい動いてる…おおお
ゲームの量えぐくね？？めっちゃ揃ってんじゃん

そして何より部屋が多い。…あ？？何だこの部屋。
モニターが3つのパソコンと、目の前にマイク。そして吸音材が壁にみっしり。

…ｳﾝ作業部屋じゃね？？でもなんで…


その時、
猫ちゃんたちが急に走り始めた。

えっなになになにどうしたの！？！？ついさっきまで遊んでたじゃん！！
釣られるように私も走る。

見てみると猫ちゃんたちは玄関で待機している。え？なんで？？




ｶﾞﾁｬｯ

！！
ｶｴｯﾃｷﾀ！！！！！




「ただいま〜」
…は、

「ひなちゃんみみちゃんシャルちゃん待っててくれたの〜〜〜」
っへ、え？え？？？

「あー腹減った。Uberしよ。」



_______な、んで推し様が
頭がクラっとする。え？生声やばすぎやん。
ガチ恋ではないんだけど箱推しだから胸破裂する…むりむり実物えぐい…

廊下に突っ立っていたせいかどんどんとこちらに向かってくる推し様___


…いや、さとみくん。





えっこれバレてる？？？？？

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