教えてアゲル。【Kei.Inoo】

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大貴『あっ、ここ字が違ってます』







『えっ？どこどこ〜？』







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大貴『ここ…、』







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隣にいるからか、必然的に縮む距離。







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『…………う、うん…、ありがとう』







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なんだか恥ずかしくなって、画面に目を向ける。







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大貴くんも、ジュースをいっき飲みする。







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『………………』







大貴『…………』







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いつの間にか、図書館にいるのは私たちだけに。







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pr…………







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沈黙を破るように鳴った、着信音。







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『あ………慧くんからだ、』







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『もしもし…、慧くん？』







慧「あ、A今どこ〜？」







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気まずい空気を切り裂くような慧くんのいつもの声に、少しホッとする。







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『えっと、今図書館………』







慧「え？なんで？」







『課題出ちゃったからさ、』







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慧「俺も行っていい？」







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”いいよ♪”







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そう言う前に、私の手からすっと携帯が抜けた。







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『え…………？』







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何が起こったか分かったときには、

ツー、ツー、という音が聞こえてきて。







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『大貴くん…？』







大貴『…………』







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『電話の途中だったんだけど…、』







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大貴『…………ここ、通話禁止だからっ』







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大貴『図書館内は、通話禁止なんです…っ』







『だから電話切っちゃったの？』







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大貴『そう…………です、』







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『………そっ、か。なんか…ごめんね？』







大貴『いえ………』







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『大貴くんって、いい子だね♪』







大貴『え…？』







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『ちゃんとルール守るの、素敵だよ』







大貴『…………はい、』







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そのあとは、なんだか元気がない様子だった。






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大貴くんの気持ちに気づくはずのない私は、呑気に笑ってて。







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ばかみたい。







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