9話 ページ9
貴方「……」
どうして話かけられなかったんだろう。
吉沢くんが私の目の前に現れてから、物事が一瞬のうちに流れていくような感覚があった。
気が付いたら凌と暗い道を歩いてる。
桃山「おいどうした？さっきから暗い顔して…」
貴方「凌…私はもう立ち直れない…」
桃山「本当に何があった！？
さっきの店にいたやつとなんかあったのか？」
店にいたやつ…それは吉沢くんのこと。
貴方「なんかあった、か…ううん、何もなかったんだよ…何もできなかった」
桃山「はぁ…？…元カレかなんかか？」
貴方「違う…けど、強いて言うなら好きな人、かな…」
桃山「は、はぁ！？好きな人！？」
貴方「え、そんな驚く？
なに、凌は私に好きな人なんて出来るわけないとでも思ってたの？」
私が好きな人、と言うとオーバーリアクションされた。
失礼な奴め。
桃山「い、いや…お前の恋愛事情とか聞いたことないからさ…そっか、さっきのやつが好きなのか…」
貴方「まぁ、好きな人って言っても雲の上の存在だけどね。私は見てるだけでいいの」
桃山「じゃあ諦めるのか？告白しないで」
貴方「うん、そのつもり。」
もし次会えたとして。
こんな一般人が告白なんて出来ないし、
芸能界には美人な人がたくさんいるから。
敵いっこない。
貴方「私は運命の人とまだ出会ってないんだねー！
頑張ろっ！笑」
ずっとネガティブなことばっかり考えてたら涙が出そうになったので、無理やり明るく振る舞う。
桃山「…じゃあ俺はどうなんだよ」
貴方「え…？」
腕を掴まれてそちらを見ると、
立ち止まった凌が私の腕を掴みながら俯いている。
桃山「…ずっとお前のそばにいる俺は、
運命の人じゃないのかよ」
貴方「…凌？」
いつにもなく真剣な眼差しが、私を捉えて離さない。
腕を掴む手にも力が入り、キリキリと痛い。
貴方「…っ凌、それって、」
桃山「…さっきのは忘れて。
早く帰ろーぜ！暑くて汗やべ〜」
貴方「……」
凌のさっきの目が今まで見たことがない眼差しで、
脳裏にこびりつく。
さっきのセリフって、つまりそういうことだよね？
凌は私のこと…
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 359人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
synk - 一気読みしてしまいました！最高でした！もう更新の予定はないのでしょうか…？続きが気になります。頑張ってください！ (2021年11月1日 3時) (
レス) id: ffd759584a (このIDを非表示/違反報告)
�豈� - また続けてのコメントですみません。 物語読んでいて気が付いたのですが...。 34話のここの部分 私はというと、吉沢くんの気持ちに気付いて 胸を抑えて動かないでいる。 これ正しくは吉沢くんへの気持ちに気付いてではないんでしょうか？ (2021年10月4日 1時) (レス) @page34 id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
�豈� - 続けてのコメントですみません(>_<) これ正しくは私の家に泊まらせるわけにはではないんでしょうか？ (2021年10月4日 1時) (レス) id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
�豈� - こんばんは(*^^*) 夜遅くにすみません｡｡｡ お久しぶりです(笑) 物語読んでいて気が付いたのですが...。 33話のここの部分 佐伯くんとはマネージャーさんのことだろうか。 分からないけど、とりあえず私の家に泊まるわけにはいかない。それは阻止しないと！ (2021年10月4日 1時) (レス) @page33 id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
�豈� - またまた続けてのコメントですみません。 物語読みました。 続きが気になります。 更新待ってますね。 (2021年9月9日 1時) (レス) id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：二の腕 | 作成日時：2021年8月1日 21時
