109《何故》 ページ9
そこからまたしばらく時間が経ち、
殆ど全員が用意されていた簡易的な外座敷に座って落ち着いていた頃。
皆酒を飲んだり、出店のものを食べたりしている中、ふと質問が出る。
冨「気になったのだが...」
皆「?」
冨「A様について、色々と知らないことが多すぎて...どうして鬼殺隊に入ったのか、とか、聞いても良いですか?」
皆「!?」
『おぉ、随分と昔話だ。』
冨「その...嫌なら、いいのですが...
俺の先祖は、姉を殺されたことをきっかけに、と書かれていたのだが...貴女については、殆ど何も、残っていないので...」
不「俺のとこもだなァ。うちの先祖は、鬼にされた母親に、弟一人を除く弟妹全員を殺されて、鬼にされた母親を自ら殺したことが始まりだったと書いてあったな...
他の柱の方々については、書かれていたり書かれていなかったり...」
炭「鬼殺隊に入ったきっかけも、戦う理由も、柱になった理由も、様々だと聞きます...」
『ふむ...確かに、鬼殺隊に入るきっかけは様々だな。
家族や大切な人を殺されたから、その仇討の為。
助けてくれたのが鬼殺隊の人間だったから、恩返しの為。
金が欲しいから。ただ刀を振るいたいから。
素敵な殿方と出会いたいから。妹を人に戻したいから...
鬼を倒す理由もまた、様々だった。』
竈「!」
『私の理由は大したことないよ。
ただ、育手に拾われたからだ。元は孤児だったから。』
皆「...」
『私の育手は元妖柱でな。その師範に才能を見込まれ拾われて、そこから鍛錬を重ねた。
10歳の時だったかな...最終選別を突破して鬼殺隊に入ったんだ。』
竈「(そんな、幼い時から...)」
『初めはただ鬼殺隊に入ったから、鬼を狩っていたんだけれど、
その過程で、同期や同僚、仲良くなった人、友人などが次々鬼に殺されていった。
そこから鬼への恨みが募った。』
睦「っ...」
『だから、気付けばその恨みや仇討ちにも近い理由で鬼を滅していたね。
そうしていく中で、いつの間にか十二鬼月を倒していた。下弦だったけれど。』
不「...」
『柱になったのは、確か13歳の時だったな。
それで、大黒柱となったのは18歳の時。
死んだのが20歳の時だから、ざっと柱だった期間は7年か。
...うーん、話しすぎたか?答えになってたら良いんだが...』
冨「ありがとうございます。」
不「知れてよかったです。」
『なら良かった。』
里「新しく遺しておこうかな。」
337人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
宵桜の館(プロフ) - 苺みるくラテさん» ありがとうございます!長らく更新できず申し訳ないです…ぼちぼち頑張ります!! (12月18日 13時) (レス) id: 3929f2196b (このIDを非表示/違反報告)
苺みるくラテ(プロフ) - 更新楽しみにしてます! (12月18日 0時) (レス) id: 00ab994726 (このIDを非表示/違反報告)
宵桜の館(プロフ) - からさん» コメントありがとうございます!童磨、ノリで出し始めてしまいましたが、ちゃんと行先を決めなきゃですwありがとうございます!! (11月22日 10時) (レス) id: 3929f2196b (このIDを非表示/違反報告)
から - 煉獄さん〜〜!!!童磨ちゃんと審神者してほしい(自分の嫌な記録を変えないとか…‥ある事で嘆くとか?。それを見て童磨に思っている思いが少し変わるとか)出来れば政府に逮捕とか殺されるとかブラック本丸とか辞めてほしいです。面白かった凄かったです (11月21日 23時) (レス) @page45 id: 64c26850b0 (このIDを非表示/違反報告)
宵桜の館(プロフ) - シオンさん» そうなんですよね〜。人を喰べたりしたのはダメかもですけど、人間性?とか、過去とか見ると、否定しきれないし、なんなら同情、といいますか... (2022年11月21日 23時) (レス) id: 3929f2196b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:宵桜の館 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Yozakura_hmp/
作成日時:2022年11月20日 14時