元鬼狩りと刀 参

141《招かれざる》 ページ41

『今度の池田屋事件の任務についてなんだけど、私も行ける？』

こ｢問題ないかと。｣

柊｢いや、時間圧は？｣

こ｢主様は神様ですので．．．｣

花｢あ、そっか．．．｣

『まだ人間で在りたいんだけどなぁ．．．手遅れ？』

睦｢身体は人間ぜよ。｣

『身体"は"』

柊｢身体はさておき、｣

『さておくな』

柊｢魂の格が完全な神格だと、時間圧はかからないのか？｣

こ｢はい。以前鬼についての任務が入った際、主様も向かわれたのですが．．．その際全く問題なかったので。ほぼ確実かと。｣

柊｢なるほどなぁ｣

花｢すごいです．．．｣

『納得しないでおくれよ．．．』

睦｢主は自覚ないかもしれんがのう、元日の藤襲山で、主は受け入れて(･････)おったじゃろ？
そこでギリギリ留まっちょったんが、完全に昇格したんじゃ。｣

『．．．．．．なるほど．．．？』

睦｢まぁ、その器が朽ちるまではギリッギリ人間じゃろうな！
朽ちるのかは分からんがの。｣

『．．．んん？』

柊｢ま、時間圧は心配ないってことだな。良かった。｣

『私はあまり良くないけどねぇ．．．』

鳥｢ふむ．．．やはり小鳥はただの人間ではなかったか。
いや、小鳥と呼ぶのは失礼か？｣

『いや、好きに呼べばいいよ。分かればいいからね。』

鳥｢そうか．．．では、これまで通り小鳥、と呼ぼう。｣

『うん。』


それからまた雑談していると、本丸がいきなり騒がしくなる。


『ん．．．？』


抜刀する音が多く聞こえる。

数振りの怒号も聞こえる。


柊｢何事だ？｣

花｢て、敵襲でしょうか．．．？｣

『決壊を破られた気配はないけど．．．何か入ってきてるみたいだね。
気配が読みにくい。何か術をかけてるね。』


まだ立つことなく座っているAの左手元に、日輪が刀の姿で現れる。


花｢！日輪吉行様．．．！｣

睦｢．．．段々近付いて来ちょる。｣

『ヒイラギ、花鳥風月、入口はあそこだけだから、こっちに。』

柊｢おう。｣


柊と七花が、上座にいるAの後ろに下がる。

各々の近侍三振りは、A達より前で襖の方を見て警戒している。

山鳥毛も同じく。


『食い止められないなんておかしいね。霊力を具現化して使ってるみたいだ。』

睦｢怪我したやつはいそうかえ？｣

『いや、一振もいないよ。』

睦｢ほうか．．．｣


へ｢主に近付くな！！．．．っくそ！！｣

巴｢立ち去れ、無礼者！．．．っ！｣


外から男士らの声が聞こえ始める。


『．．．』

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