元鬼狩りと刀 参

140 ページ40

その後、話は仕事(審神者業)のことに。


『あぁ、そういえば．．．つい先日、池田屋事件についての任務が入ったんだ。』

花｢！｣

柊｢おぉ、お前んとこもついにか．．．｣

花｢池田屋事件．．．私の本丸には、まだ声はかかっていませんが．．．
正直、新撰組の刀だった方々を編成に加えるべきか否か、迷いますよね．．．｣

『そうだね。
彼らの元の主が死ぬという歴史はないから、まだ良いけれど．．．』

柊｢池田屋事件、なぁ．．．｣

『しかも、そこそこな歴史のズレが見られるみたいでね。
全く、何故もっと早く持ちかけてこないのか．．．』

柊｢池田屋事件自体、遡行軍の介入がかなり多いからなぁ．．．
あ、そういや最近、演練で会った審神者とか、俺の担当の役人とかから聞く話じゃ、その池田屋事件に、人喰い鬼が出現することが増えてるみたいだぞ。｣

『！』

柊｢それもあんだろうな．．．
人喰い鬼の介入は予知出来ねぇから、時の政府も池田屋事件の任務にあたってもらう本丸をちゃんと選ばなきゃならねぇし．．．最悪全滅した上に歴史改変だからな．．．｣

『なるほどなぁ．．．』

花｢あ、あと、池田屋事件で、遡行軍の大量発生も見られるみたいです．．．聞いた話ですけど．．．｣

『あんな市中で大量発生？』

花｢稀にあるみたいです。｣

『重なると厄介だな．．．』

柊｢しかも大半が夜戦だからな．．．太刀や大太刀、槍に薙刀はちょっと弱体化しちまう。
大量発生がせめて開けたところで起こってくれりゃあまだマシなんだろうが、あんな市中じゃ近場にゃないからな．．．｣

『そうだね．．．』

柊｢まぁ、現代と比べりゃ、道幅は広いけど。｣

『はは、せめてもの救いだね。』

柊｢だな。
あと、お前にとって厄介になることが。｣

『？』

柊｢"歴史抑制力" と "時間圧" だ。
そこそこな歴史の改変が見られるっつーことは、歴史をあるべき方向へ戻そうとする歴史抑制力も強いはずだ。
刀剣男士はともかく、審神者でり生身の人間であるお前には、時間圧が働く。
歴史抑制力が強く働きゃ、時間圧も多少強くなんだろうから、留まっていられる時間が減るかもしれん。｣

『なるほどね．．．それは困るな．．．』

睦｢人喰い鬼が出るとなると、余計にのう．．．｣

鳥｢何とかならないものだろうか．．．｣

『．．．．．．こんのすけ。』


ポンッとこんのすけが姿を現す。


こ｢はい！何でしょう？｣

141《招かれざる》→←139

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す