元鬼狩りと刀 参

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日輪を刀掛けに置いたまま、神座内を動き始める。

初めに来たのは、甘露寺蜜璃の座。


『少し借りるよ、蜜璃。』


何処からか、明るい返事が聞こえた気がした。

甘露寺蜜璃の日輪刀を持ち、神楽殿へ。


『初めに、恋柱･甘露寺蜜璃の使っていた恋の呼吸を見せよう。
炎の呼吸の派生だよ。』


そっと日輪刀を構え、一気に動き始めた。


『"恋の呼吸･壱ノ型･初恋のわななき"』


神楽殿も、自分も傷付けることなく、

次々に型を披露していく。


不｢(あんな鞭状の長物を、言葉通り、意のままに．．．)｣

炭｢(何だろう、桜餅みたいな甘い匂いもする．．．)｣

桜｢(何処も、誰も傷付けず振るえるだなんて．．．)｣

『………"陸ノ型･猫足恋風"』


全て型を出し終える。


『これで、恋の呼吸は全て。
次は誰の呼吸を披露しようか．．．しのぶにしようか。』


神座へ行き、


『ありがとう、蜜璃。』


甘露寺蜜璃の日輪刀を戻す。

そして、今度は胡蝶しのぶの日輪刀を手にする。


『少し借りるよ、しのぶ。流石に毒は再現出来ないけど、型を見せてみる。』


凛とした、優しげな声が応えた気がした。

その日輪刀を手に、再び神楽殿に。


『次は蟲柱･胡蝶しのぶの使っていた、蟲の呼吸を見せよう。花の呼吸の派生だ。
彼女はこの日輪刀の切っ先に、鬼を殺せる毒を纏わせて使っていたから、完全再現ではなく、形だけではあるけれど。』


そう、日輪刀を構える。


『"蟲の呼吸･蝶ノ舞･戯れ"』


形だけではあるが、蟲の呼吸を披露していく。


冨｢(突き技．．．)｣

カ｢(全部虫が違う．．．)｣

蜻｢(蜻蛉．．．)｣

『……"蜈蚣ノ舞･百足蛇腹"』


四つの型を出し終える。


『蟲の呼吸はこれで全て。
次は．．．無一郎の霞の呼吸にしよう。』


再び神座へ向かう。


『ありがとう、しのぶ。』


胡蝶しのぶの日輪刀を返し、時透無一郎の座へ。


『少し借りるよ、無一郎。』


短刀の声にも少し近いような、まだ子供らしさの残る声が返ってきた気がした。

時透無一郎の日輪刀を手に、神楽殿へ。


『次は霞柱･時透無一郎の使っていた霞の呼吸。風の派生。』


抜刀し、霞の呼吸を披露し始める。


『"霞の呼吸･壱ノ型･垂天遠霞"』

睦｢(霞．．．不思議じゃのう．．．)｣

不｢(風の、フウジン神楽の派生．．．)｣

『…………"漆ノ型･朧"』

嘴｢(何だ！？見えたり消えたり．．．)｣


全ての型を出し終える。


『これで霞の呼吸は全て。次は小芭内の蛇にしようか。』

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