愛寵噺【東京卍リベンジャーズ】 (ページ33)

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紅葉【松野千冬】ページ33

秋晴れ＿＿

空気が澄んで晴れ渡っている空の様子のこと

本日はお出かけ日和に最適な天候であった

「A。準備出来たか？」

彼は支度をしている彼女に声をかけた

「うん。あっ…ちょっと待って」

返事をした後に何かを忘れていることに気が付いた

「口紅塗り忘れてた」

違和感の正体は口元に血色感がなかった様子であった

「今日はオレンジリップの気分」

口紅のキャップを取り中身を少し繰り出して丁寧に塗った

「よしっ。服もメイクも髪も完璧！」

全身ミラーの前で身だしなみの最終確認をした彼女は…

今日の自分の仕上がりを褒めて満足そうに微笑んだ

「前髪も乱れてないし、ばっちり決まってる」

トータル的に見て前髪は一番気を使うところだった

「千冬。おまたせ」

おろしたてのブーツを履いた彼女は、彼が運転する車の助手席に座った

「忘れ物とか大丈夫か？」

出発する前に彼は今一度彼女に確認をした

「うん。家のカギもちゃんと閉めたし…大丈夫だよ」

心配性の彼女は家を出る際に、何回か確認をしたのでその辺は抜かりなかった

「それなら良かった」

声に出して確認する事は大事なことであった

「ってか、Aの今日の服装…なんか大人っぽいな」

彼はエンジンをかけながら彼女の服装を気にかけた

「季節と、気分に合わせて着てみたけど…変かな？」

指摘された彼女は少し自信がなさそうに告げた

「いや。全然。すげぇ似合ってる」

それに対して彼は即答で答えた

「Aは美人だからなんでも似合うな」

「ふふっ。そう言ってくれてありがとう」

褒められた彼女は素直に喜んだ

「後ね。秋だから…オレンジメイクしてみたの」

季節とコーデに合わせて取り入れたメイクは秋らしさを感じさせた

「どう？かわいい？」

アイラインやチーク、リップなどの差し色で暖色系を使うことで…

こなれ感が増してよりオシャレ上級者に見えた

「ん。似合ってる。かわいいよ」

彼女が楽しそうに話す話題を彼は隣で微笑んで聞いていた

「私、ブルベだからピンク系が多いけど…

たまにはオレンジもいいかなって思ったの」

明るく元気な印象を持つオレンジカラーだが…

秋らしくブラウン寄りにすることで、大人っぽくいつもより色気のある仕上がりになった