愛寵噺【東京卍リベンジャーズ】 (ページ14)

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ナンパ【三途春千夜】ページ14

午後19時＿＿

Aはこの時間帯まで交際相手の彼氏と出掛けていた

道中で彼を待っている際に、彼女は街中でナンパにあってしまった

「は？オレか？」

彼は彼女をナンパしてきた相手を睨みながら言った

「こいつの彼氏だけど？」

そう言って彼は少し強引に彼女を自分に引き寄せた

「わかったらとっとと失せろ」

彼は相手に鋭い眼光を向けながら吐き捨てるように告げた

ナンパしてきた輩に対して言いたことは山ほどあったが…

彼は彼女の手前という事もあり、一言でまとめてこの場を丸く収めた

「……春千夜」

彼女は控えめに彼の名前を呼んだ

「助けてくれて、ありがとう…」

助けてもらったことを心から感謝した彼女は、彼に素直に礼を言った

「咄嗟(とっさ)だったからな」

彼があと一歩でも来るのが遅ければ、彼女は無理やり連れて行かれるところであった

「ったくよォ……Aは危機感なさすぎ」

彼女は中々に整った容姿をしているので…

今のように声をかけられることは少なくはなかった

彼女の無防備さと、危機感に対しての警戒心の薄さに彼は少し呆れていた

「ちょっとこっち来い」

彼は彼女の手を引いて、そのまま薄暗い路地裏に連れて行った

「ちょっと…！どこ行くの？」

言われるがまま彼に連行された彼女は、彼の考えている事が全く読めなかった

「さっき。あのクソ野郎に、どこを触られた」

壁際に彼女を追いやって彼は食い気味に質問をした

「えっ。どこも……触られてないけど…」

迷惑をかけたくないと思った彼女は彼に嘘をついた

「嘘つくなよ。正直に言え」

嘘を見抜いた彼は少し圧を込めて言った

彼は先ほど助けに入る前に、彼女がナンパをされている…

一部始終を見ていたが詳しくは知らない様子だった

「…っ……肩を、引き寄せられて…」

彼の圧に息が詰まるのを感じた彼女は正直に話し出した

「……腰とか、太ももを…触られたの」

本日の彼女の格好は＿＿

デートということもあり少し露出が高めの格好になっていた

「でも、もう平気だから…」

そうは言うが、彼女は他の男に触られた感触が未だ肌に残っていた

「ホント…大丈夫だよ。心配、しなくても……」

そして脳裏から中々離れなかった