四十二 ページ5
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「……恐らく、此の時代に短刀の子らが来ている」
開口一番で三日月さんはそう告げた。素に戻って「え？」と間の抜けた声を漏らす。
「粟田口の者だろう。数刻前からそのような気配が強くてなぁ。俺たちを探そうと奮闘しているようだが……」
「じゃあ其処に行きましょう。早く帰らないと本丸の皆さんが心配です」
三日月さんはゆっくりと首を横に振る。
「気配は感じられても何処にいるのかは判らんな。できることなら石切丸も小狐丸も見つけているさ」
確かにその通りだ。だが、短刀たちがいるというだけでありがたい。つまりこんのすけも私たちがいなくなったことに気づいたということだろう。
「……取り敢えず粟田口の者が来るまで待ちましょうか」
帰りましょう、と声をかける。然し三日月さんは空を見上げたまま動こうとしない。
「三日月さん？」
「……なぁ主よ。此処に検非違使が現れる確率は？」
三日月さんの表情はかなり険しく、初めて見るものだった。検非違使が現れることを心配しているのかもしれない。
「この時代に来たのは初めてです。検非違使は同じ時代に長く留まると現れる者なので……此処に来る確率はかなり低いのでは？」
「そうか、そうだよなぁ」
険しい表情は一瞬で消え、明るい笑みを浮かべる。矢張り慣れない時代に来た所為で緊張や不安があるのだろう。それを和らげるのも審神者の役目だ。
ふと、顔を上げると視界の端に桃色の花弁が見え、思わず手を伸ばした。
「三日月さん、あれは……」
「桜だな。夏に咲くものではない筈だが……」
季節外れの桜の花弁は風に呑まれ、すぐに何処かへ飛んでしまった。
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織川(プロフ) - カティさん» ありがとうございます！こちらでもよろしくお願いします！ (2018年3月27日 12時) (
レス) id: f371f8209b (このIDを非表示/違反報告)
カティ(プロフ) - 続編おめでとうございます！ (2018年3月25日 18時) (レス) id: 0319e8dbc2 (このIDを非表示/違反報告)
織川(プロフ) - ななこさん» ありがとうございます！更新がんばりますね……！ (2018年3月22日 20時) (レス) id: f371f8209b (このIDを非表示/違反報告)
ななこ - 続編おめでとうございます！新着確認したら見つけたのですぐに飛んできました！更新頑張ってください！ (2018年3月22日 20時) (レス) id: d4cba68423 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：織川 | 作成日時：2018年3月22日 20時
