23.心音 ページ23
・
臣の腕は頑なに私を離そうとしない。
それどころか頭を胸元に押し付けられ、
顔を上げるのすら制御される。
「なん………で……」
自分の心臓がはち切れそうな程鳴っていて、
聞かれてやしないかとヒヤヒヤする。
その問いに臣は暫く黙ったけど、
急に「〜〜っあぁもう、」と言って
私の両肩を押して目線を合わせにきた。
「っ、好きだからだよ！何で分っかんねぇかなぁ⁉」
「………っえ、え、？」
______…嘘、でしょ？臣が？
いや、違う。
目の前の臣の、顔が林檎よりも赤いのが、
「______…おい、何を…」
凭れた胸から伝わる心音が飛び出そうなほど鳴っているのが、
この言葉の、何よりもの証明。
恐る恐る臣の首元に腕を回すと、
臣は一瞬たじろいだが、直ぐに私の体に腕を回してきた。
「…………すき……」
「！」
ぽそりと呟いた消えそうな声を、
臣はしっかりと拾って、それに応えるように腕の力を強めた。
………私、臣に触れてもいいんだ
「〜〜〜っ、ぅわぁぁああんっ」
「は⁉オイ何で泣く⁉」
それが何だか嬉しくて、心がポカポカして、
さっきのナンパもあってもう感情めちゃくちゃで。
再び泣き喚く私を、
臣は「あー、もう仕方ねぇな」と言いながら背中をさすった。
「なんで、ここにいるって、わかったん？」
鼻水をすすって、臣に抱きついたまま言葉を発すると、
臣は一瞬肩を揺らして押し黙った。
不思議に思って距離を取り顔を覗くと、
真っ赤に染まった顔を背け、手の甲で口元を押さえていた。
「…お前の肌、他の奴らに見られんのが嫌で……」
「え」
「ソレ貸そうと思って追いかけたら、何か…お前に
呼ばれた気がして……嫌な予感して、すっげぇ探した」
そう言えば、男に連れ去られそうになった一瞬、
完全無意識で臣の名前を呼んだことを今になって思いだす。
______……届いてたんだ、あの声
「〜〜っ笑ってんじゃねぇ…！
大体っ、お前がそんな格好で彷徨くからだろうが…！」
「っふ、あは、…だって可愛い…っ」
「ハァ⁉」
普段クールで顔の表情ほぼ変わらないクセに。
そんな顔されたら、ときめかないはずがないじゃない。
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しょーゆ - 好きです。もう何十回と読んでますが毎回キュンキュンします。 (8月28日 21時) (
レス) @page23 id: 3bdb915083 (このIDを非表示/違反報告)
そらまゆ🌸🍓 - んにゃー！！！！臣くんかっこかわよい！！！！あ、すみません。コメント失礼します。主さん、このお話、最高です！！！何回も読んでも飽きないです！ (2022年4月30日 19時) (レス) @page45 id: 7272f2ecda (このIDを非表示/違反報告)
葵梗花(プロフ) - れんさん» 詳細をお聞かせいただければ幸いです。よろしくお願い致します。 (2020年12月26日 13時) (レス) id: af0a567945 (このIDを非表示/違反報告)
葵梗花(プロフ) - れんさん» こちらの方が半年以上も遅くなってしまい申し訳ございません！！占ツクに戻ってきたのが数日前で、やっとの思いでお返事書かせて頂いております。本当に申し訳ございません。さっそくボードに行かせて頂きます。お返事はいつでも大丈夫ですので、余裕が出来た時にでも (2020年12月26日 13時) (レス) id: af0a567945 (このIDを非表示/違反報告)
れん(プロフ) - 星蘭さん» コメントありがとうございます！そんなこと言っていただけて嬉しいです…！また番外編も考えてみます！^_^ (2020年10月12日 22時) (レス) id: c0cfdfe5c5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：れん | 作成日時：2020年4月6日 22時
