俺の妻 N *Connect (ページ5)

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何度抱かれた？

どんな風に？

俺よりよかった？

俺の何がいけなかった？

平凡を
こよなく愛しているはずじゃ
なかったのか？

○○「っ、
ジュン、っ、」

間違えずに、
俺の名前を呼んだ妻を

愛しく思う自分がいた。

俺は妻を溺愛している。

・・・帰って来てくれたら、
もう、それだけでいい。

抱いているうちに、
答えが出た。

相手の素性を
探ることはしなかった。

ただ、何かあった時のため
妻の居場所を
把握しておきたくて、
一度だけ妻のあとをつけた。

俺の知らないスーパーを
慣れたように歩き、

生野菜や肉をかごに入れ、

レジではポイントカードも使う。

妻は恋をしていた。

相手のマンションにつく頃、
季節柄、
もう外は暗くなっていたから、

妻がマンションに入った
タイミングと
明かりが灯るタイミングで

どの部屋なのかもわかった。

オートロック。
合鍵。

───妻は、
愛されているのかもしれない。

でも妻は帰ってくる。
俺と暮らす日常に。
毎日。

そして、俺に体を許す。
拒絶されたことがない。
一度も。

平凡な日常を
ひたむきに生きてきた妻が、
ためらいなく
道を踏み外せることに、
驚いて。

俺の知らない妻を知り、
それすら愛した。

妻が慣れると共に
俺も慣れてしまって、
気がつけばこれが
日常になっていた。

妻が愛する、平凡な日常。

終わりがくるとしたら、
それは俺の日常ではなくて、
相手の男の日常だろう。
そう思っていた。

帰るのが遅くなる予定が、
早く帰れることになって、
妻に連絡した。

俺が帰る頃には家につく、
ご飯待たせちゃうかも
しれない

と、妻は言った。

俺は恋人と会う妻を思って、
仕事が終わって
すぐ電話を掛けた。

一緒にいつ時間を削られて、
せめてもとギリギリまで
一緒にいるだろうから。

優しさだ。

───牽制じゃない。
今さら。