クラスの変わった子はかわいい子 Shuichi.A (ページ42)

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リングの上から降りてきたおじさん。

私、正直に言うと学校辞めたいし、学校にいてもつまんないから。

『なぁ、私学校やめるから』

原「はあ？」

まあ、そりゃそうなるわな。でも私、退学届も出したよね？

『おじさんたちのお陰で学校戻れたとか嫌だから』

原「ってかあんたと明智だけよ？私のことお前とかおじさんとか言うの」

『だからそう言うの望んでないって』

原「望んでないとかそうこうじゃなくて、頼れって言ってんの」

『……頼る……ね』

“頼る”ってなかなか難しいよね。今、前頼れてた秀にも頼れてないし。

原「どうしてあんたは頼らないのよ」

『どうせ裏切るんでしょ。おじさんも、秀も、みんな。結局はほったらかして、暴力振るって。みんな逃げていくんだよ。人間って』

本音を伝えて、出ていこうと歩いていくと、おじさんに手を引っ張られた。

原「じゃあアンタ、好きなだけ私をなぐりなさい。私は父親と違って手をださないし、母親と違って嘘もつかない。だから好きなだけ私を殴りなさい」

どーんとこい。と言われ、私はおじさんを今まで殴ったことのない力で思いっきり殴る。何回も何回も。

でもおじさんは全然大丈夫と言う。

『なんで殴り返さないの！』

原「世の中嘘をつかないやつもいるってことを知らせてんだよ」

『そんなの知らないよ！別にそう言うの望んでないって何回も言ってんじゃん』

そう言い残して、走ってこの場から逃げた。