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帰り道。といってもスタジオからじゃなくて。
ジョングクを探してきてくれたお礼にって、メンバーにいい焼肉屋さんに連れてってもらったのだ。しかも奢り。
私以外のマネージャーもいて、有意義な話もできて楽しかった。
しかしあくまでマネージャーなので、ジョングクを送るという仕事は全うせねばならない。
「ジョングクー？そろそろ着くよ〜」
「んー」
私より食べていたジョングクは眠いのかずっとぽやぽやしている。お腹いっぱいで眠くなるって子どもか。
地下駐車場に車を停める。
「ありがと。……ん？」
車の鍵は閉めてある。ごめん、ちょっと話を聞いてほしい。
「ジョングク。失恋したばかりの君にすごく酷なことを言うよ」
後部座席を振り向く。何で今その話、と言わんばかりの顔だ。
だけどごめんね。すぐ言わないとまたタイミング逃して、同じことを繰り返してしまいそうだから。
「昔からずっと好き。ジョングクがあの子を好きになる前から」
「え……」
「気づいてなかった？黄金マンネの目を欺くなんて私、演技の天才かな」
茶化して言ってみるも彼の表情はぽかんと固まったまま。
「悔しかったよ、ずっと。私の方がジョングクの愛に応えられるって思ってた。
だからね、ずるいかもしれないけど」
すぅっと息を吸って彼の目を見る。
「彼女に向けてた愛、全部奪ってあげる。ジョングクの悲しさとか未練、なくなるくらい愛するから。
私のこと意識して」
私の気持ち、全部言った。
あとは彼の反応次第。
「…………あのさ、」
「うん」
「…………理解が追い付かなくて」
「うん」
「…………マネージャー辞めろって言われたらどうすんの」
「うん？それ、付き合ってくれる前提のお話？」
「ち、違う、一応」
「それは大丈夫だよ。今までの勤務態度を見るに安心って言われてるから。現にジョングクに恋人ができてもマネージャーとしてのパフォーマンスは落ちなかったでしょ？」
「確かに」
ていうか心配どころそこなんだ。
へぇ。
へーえ。
「脈ありってことでいい？」
「……おやすみ！送迎ありがと！」
鍵を開けて逃げるようにエレベーターの方へ走っていった、頬を赤く染めたジョングク。
今にその背中に飛びつけるようになってやるから、覚悟してよね。
Fin.
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作者名：レオレ〇●〇 | 作成日時：2024年1月27日 22時
