奪いたい、愛【JK】 (ページ8)

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「「お疲れ様でしたー！！」」

数日に渡るMV撮影が終わった。

「ジョングガ！めっちゃ絶好調じゃん！」
「そ、そうですか？」
「うんうん。最近までの不調、完全に吹っ飛んだねー」
「黄金マンネもスランプはあるってことか！？ひゃっひゃっひゃ」
「じゃあジニヒョンはずっとスランプですか」
「ヤー！？」

ケータリングを頬張りながら喋ってるメンバー達。疲れてるのにまだ騒ぐ余裕あるのか……。

「お前か」
「うぉ！？」

今後のスケジュール確認してたら横からぬっと出てきたユンギオッパ。マジでびっくりした。

「色気ない悲鳴」
「うるさいです。……何が私？」
「ジョングガ。最近の様子が嘘だったみたいによかった。Aも感じたでしょ」
「まぁ」

ここ最近のぼんやり加減が嘘のように、この撮影中はずっとキレキレだった。モニタリング中も集中していたし。
今回の曲が『FAKE LOVE』、偽物の愛の曲だからっていうのもあったのかもしれない。

「結局さ、どこにいたのあいつ」
「仁川空港です」
「あー」
「わかってたんですか？」
「なんとなくだけど」

がしがしと後頭部を掻いて「やべっ」と呟いたオッパだけど、撮影が終わったのを思い出したのか苦笑いしていた。

「撮影続いてたらオンニに大目玉くらってましたね」
「うるせー。…………なぁ、これでお前の目下の悩みは消えたんじゃねぇの」
「え」

ユンギオッパの目はわかってんだろ、と訴えていた。

「障害がなくなったんなら押せ。押して押して、押しまくれ。それやりゃ一発だ」
「それはユンギオッパの魅力があるからできることであって、」
「A～！今回のMVP！おいで！！」
「うわ！？」

急にやってきたテヒョンイオッパにより、何故かメンバーの輪の中に。
バチイケモードでドアップは心臓に悪いんだけど。

「Aがいなきゃ撮影中断もありえなくなかったから」
「見つけてきてくれてありがと！」
「あ、それは……」

テヒョンイオッパを見ると口の前で人差し指を立てている。
……ありがとう、オッパ。

「はい！どういたしまして！でもジョングク、今回だけだからね、次回以降ないからね！？」
「う、わ、わかったよ」

バチイケモードなのに、たじろいでるジョングク。
私の好きなジョングクが目の前にいてくれて、胸の奥がじんわりあったかくなった。