俺の専属マネージャー。２

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「ふうん。
俺に一飲みにされたいんか？」


やっぱり。

にやにや笑ってるもん。


それに、いつの間にか、
一人掛けのソファに座ってる。

部屋にはロフトのベッド以外、
座るところはそこしかないわけで、
仕方ないけど・・・


「そういう意味じゃないもん。
虎みたいに怖ろしいって意味」

むきになっちゃって、
恥ずかしい。


「どうしたら、怖なくなるやろな」


渋谷さんが切ない目で私を見るから・・・

私も苦しくなる。


本当はもう怖くても、
いいの。

この先が辛いことばかりの未来でも、
引き返すことなんて出来ない。

迷いなんてない。


でもうまく言えない。


「プレゼントあるの」

悩みに悩んで決めたキーケースを差し出す。


「嘘やん。
チョコレートかと思ってたわ」


渋谷さん、驚いてて・・・


早速、自分の部屋の鍵を付け替えて。


「ええやん。
ありがとう」


照れくさそうに言ってくれたから、
すごく嬉しくなった。


「本当？気に入ってくれた？」


「お前が選んでくれてんやろ？
そら、嬉しいに決まってるやん。
ここにお前んちの鍵つけてくれたら、
もっと嬉しいけどな」


「もお、またそんなこと言う！」


怒ったふりして渋谷さんの胸を押したら、
そのまま抱きすくめられた。


ソファに座ってる渋谷さんに、
身体ごと全部、預ける形になって・・・


気が遠くなりそう。


好き。

大好き。


「何回でも言うわ。
お前の彼氏になりたい」


渋谷さんの胸に顔を埋めて、
その声を聞いたら、
涙が溢れてきた。


うなづく前に・・・


「ほんまはこんなこと言うてええんか、
分かれへんねん。
お前の好きなカフェにも連れてってやられへんし、
他のどこにも一緒には行かれへん。
誰にも認めてもらわれへん、
もし付き合いがばれたら、
お前まで顔も知らん相手に非難されたり、
責められたり。
こんなんで到底ええ彼氏にはなられへんやろ」


渋谷さんが苦しそうに言うから、
何にも言えなくなった。


この前の電話で、
カフェに一緒に行きたいって言葉は、
ちゃんと飲み込んだつもりでいたのに・・・

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